「これからはソーシャルメディアの時代です!ブログなんて古い!」の嘘
ソーシャルメディアマーケティングが叫ばれる昨今。
ちょうどFacebookの流行が始まってきた2011年頃から、あちらこちらで”ソーシャルメディアマーケティング”というワードが叫ばれるようになってきた。
一億総中流、みんな”普通”が当たり前だった20世紀の日本と違い、現代は顧客の多様性が見られるようになった。
それにより、『平均』を狙い打つことしかできないマスメディア、広告メディアが、日々その影響力を弱め、企業やブランドは、「消費者との関係性」を築くことの重要性に気付いた。
ちょうどTwitter、Facebookの流行の最中だったこともあり、ソーシャルメディアによる消費者との関係性構築…というマーケティングはある種のブームとなり、さまざまな企業でソーシャルメディアアカウントが開設されることになる。
たしかに、Facebook、Twitter、Google+、LINEなどのソーシャルメディアは、既に数千万人の人々が利用するコミュニケーションのプラットフォームになっており、そこに釣り糸を垂らすのは決して間違いでは無い。
しかしながら、そのソーシャルメディアマーケティングで成功を勝ち取ることが出来ていない企業が大多数であることも事実である。
なぜうまくいかないのか?
ソーシャルメディアはブログと上手に連携させることで、威力を増す存在であり、ブログの代わりにソーシャルメディアを…という考え方は間違いなのだ。
今日はその理由を伝えようと思う。

ブログは本当に終わったメディアのか?
Facebook、Twitterなどが流行し始めた2010年〜2011年頃、ブログよりも手軽でリアルタイムなソーシャルメディアの浸透によって、『ブログの時代は終わった!これからはSNSだ!』という声が多数上がっていた。
ちょうど私が「はじめてのFacebook入門」を執筆していた頃だ。
私はFacebook本を執筆しながらも、ブログの重要性を常に発信し続けていた。
その理由はそれぞれのWebサイトの仕組みを見ればわかる。
Facebook、Twitterなどなどは、フロー型メディア。
投稿した情報は時間の経過とともに流れ去ってしまい、後々に過去の投稿を検索するのは困難だ。
つまりフロー型メディアの投稿は消耗品に近い。
それに対し、ブログはストック型メディア。
記事を貯めこむことが可能で、検索性が高い。容易に過去の記事にアクセスすることができる。
ストック型メディアの場合、記事が増えれば増えるほど、自分のメディアにアクセスを呼び込む資産となる。
また、フロー型メディアは過去の歴史を見ればわかる通り、ブームに左右されやすい。新たなサービスが次々と産まれている今、Facebookが過去のmixiのようになってしまう可能性もゼロでは無い。
あなたも何か調べたいモノがある際にGoogleで検索し、ヒットした記事が10年前のブログだった…
というような経験があるだろう。
もちろんGoogleも新しい情報に価値を置きやすい傾向にあるのは事実だが、優良なコンテンツ(記事)は時が経っても色褪せず、検索対象として残り続ける。
ストック型メディアは資産なのだ。
ブログは終わったメディアどころか、長寿の象徴のような存在だ。

本当のブログ時代はこれからやってくる。
昨今流行している、キュレーションアプリや、NEVERを筆頭とするまとめサイトを見てみるとわかるが、単純な検索以外の場所で、ブログを目にする機会が増えている。
Gunosy、はてなブックマーク、NAVERまとめ、Antenna。
さまざまな場所で、ブログが取り上げられるようになっている。
私は今、まさにブログの時代が始まろうとしているようにすら感じている。
今、ブログは、Webサイトの仕組みの上でも、流行の上でも最重要な位置にあるのだ。
そして、ソーシャルメディアは、ブログのようなストック型メディアと組み合わせることで、その力を発揮する。
その威力は単体で使用した時とは比べ物にならない。
検索に強く、母体となるブログをしっかりと運営した上で、連携したソーシャルメディアの拡散性を利用して、アクセスを呼び込む。
ソーシャルメディアで消費者との関係性を構築した上で、ブログへアクセスを流す。
そういったクロスメディア戦略が、ソーシャルメディアの最も効果的な活用方法なのだ。
ということで、これからWebで情報発信をしていくのであれば、まずはブログからはじめよう。
ソーシャルメディアはその後からでも十分だ。
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