目次
Messengerのチャットボットプラットフォーム「bots on Messenger」
このところFacebookの記事ばかり書いている落合です。
そういえば先月の『F8カンファレンス』について書いていなかったなぁ…
と思い、今回も筆をとりました。
あんなにワクワクして当日を迎えたのに、記事を書いていないとは。。。
今日からFacebook「F8」ですな。
— 落合正和@SNS講演講師依頼承ります (@ochiaiabe) 2016年4月12日
さて、この『F8カンファレンス』
F8カンファレンスとはFacebook社が開催している開発者会議のこと。主に開発者向けに新機能の紹介や新サービスの発表などを行ってる。年に一度サンフランシスコで開催される。(一時は休んでいた)『F8』という名前の由来は、かつてFacebookで行われていた8時間耐久のハッカソンから
今回もさまざまな発表がありましたが、私にとって一番心踊る発表となったのが、
Messengerのチャットボットプラットフォーム「bots on Messenger」
について。
この発表を聞いて、『あぁ!Facebookが未来を変えるんだ!』と感じた次第です。
今回はその「bots on Messenger」についてお伝えして参ります。
チャットボットプラットフォーム「bots on Messenger」とは?
Messengerのチャットボットプラットフォーム「bots on Messenger」
と、言われてもイマイチなんだかよくわかりませんよね。
カンタンに説明します。
Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグは今回の「F8カンファレンス」で、
「今後10年の成長を見据え、フェイスブックは様々なビジネスとのつながりを深めていく」
と宣言しました。
これは、Facebookのメッセンジャーアプリへ企業アカウントを導入するということ。
ここまでは、同じメッセンジャーアプリのLINEに既に存在している“LINE公式アカウント”や“LINE@”を想像していただければ、なんとなくイメージが湧くかと思います。
つまり、これまで個人と個人のやりとりに限定されていたFacebookメッセンジャーに、LINEと同じような企業アカウントが生まれるということです。
今後は、
メッセンジャーアプリが企業のカスタマーサービスの場に成長するだろうとのこと。決済機能も備えるそうです。
すごいですね。
でも、これだけでは『心踊る』ほどのワクワク感はありません。
私がワクワクしたのはこの先!
同様に発表された、
Facebookメッセンジャーではボットを通じた顧客との対話が行われる
という部分なんです。
『企業らのカスタマーサービスの場に成長し、決済機能も備える』
↑この部分の役割を、
ボットの人工知能が勤める
ということ。
チャットボットによるユーザーとの対話は、LINEやMicrosoftでも行われてきました。決して初めての試みではありません。
しかしながら、世界最大規模のFacebookメッセンジャー(9億人のユーザー)でそれが行われる!!
これがワクワクする理由なんです。
世界最大規模のFacebookメッセンジャーがチャットボットを導入するということ
この“ボットを通じた顧客との対話”で何ができるようになるのか?
F8カンファレンスの発表では、
・CNNメッセンジャーのボットにテキストを送ると、関連するニュースをボットが表示する。
・花屋チェーン1-800-Flowersのボットにテキストを送り、花を注文する。
そんな事例が出されました。
人工知能(人工無脳)や自然言語処理技術などによってボットは進化し、ユーザーは友達とチャットする感覚で、メッセンジャーボットと対話し、商品を注文することも可能になったわけです。
世界最大規模のFacebookがボットプラットフォームを解放するということは、世界中の企業がそれを利用するでしょう。
そうなると“チャットボットによるユーザーとの対話”という行為そのものが、どんどんブラッシュアップされ、次第にそれらの企業の従業員の替わりとなって働くようになり、その利便性などがFacebookの外へと次々と波及していくはずです。
チャットボットの認知をFacebookが世に広めていくということですね。
チャットボットを使うことに世の中の人が慣れていけば、単純な作業はどんどんチャットボットに置き換えられます。
ファーストフードの店員のように決められたメニューの注文を受けるのはチャットボットで十分です。店舗の従業員は管理者1人いれば十分。
コールセンターなども基本的な質問はすべてチャットボットに置き換えることができるでしょう。
104のお姉さんの仕事も、チャットボットに替わってもらうことは可能なはずです。
企業としては大きな人件費削減が可能です。
世の中の多くの単純作業がチャットボットに変わるでしょう。
5年後には全てのファーストフード店にチャットボットが採用されていても、何も不思議ではありません。
Facebookにはその引き金を引くだけの影響力があるのです。
まとめ
この話、冒頭でワクワクすると書きましたが、考えようによっては恐ろしい話でもあります。
今、あなたの仕事がチャットボットに置き換えられる仕事であれば、高い確率でリストラに遭うことでしょう。
数年以内に多くの人が仕事を失うことは目に見えて明らかなことです。
Facebookという強大無比な存在がチャットボットを扱うことの影響力は計り知れないものです。
逆に、人と人との交流が無いと成り立たない仕事は強いです。
高級旅館や高級ホテルの接客、板前さんなど、高レベルなサービスを提供できる人、複雑な思考が求められる経営者や弁護士、カウンセラーなどの仕事はボットにできるものではありません。
実際、先日話題になった人工知能のりんなちゃんや、「人類を滅亡させるわ」と話した人工知能ロボット「Sophia」を見る限り、人格を持って複雑な思考にまで至るにはもう少し時間がかかりそうですね。
しかしながら、スティーヴン・ホーキング博士は人工知能は核兵器よりも潜在的に危険とも言っており、人工知能の誤動作によって人間に危険が及ぶのを防ぐシステムの開発研究をすべきだとも…
ロボットが人格を持つ日もいつか来るんでしょうね。映画ターミネーターの世界。。。
いずれにしてもテクノロジーの進化は凄いです。
私は楽観的な人間なのでワクワクしてしまいますが。