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夏葉社『ガケ書房の頃』本の中に吸い込まれる感覚を得られる”優れた本”でした
久しぶりにグイグイと引き込まれる本に出会いました。
中身も知らないのに、なぜか以前から読みたいと思っていた本『ガケ書房の頃』。
[amazonjs asin=”4904816196″ locale=”JP” title=”ガケ書房の頃”]インスピレーションというか、第六感というか… 不思議と「読まないといけない」と脳が指令を出していたんですよ。
ちょうど(偶然にも)京都から手賀沼に戻った日『いま読みたい!!』という激しい衝動に駆られ、品切れになっていないことを祈りながら、North Lake Cafe & Booksさんに向かい即購入。
その場で読み始めました。
すると、
North Lake Cafe & Booksで購入した、『ガケ書房の頃』半分とちょっと読んだところで、ハッと我に帰る。久しぶりに本に引き込まれた。さほど年齢差無く、同世代に近い著者と、自分の人生を重ねて読んでいる。後でブログに書評を。
— 落合正和@SNS講演講師依頼承ります (@ochiaiabe) 2016年6月26日
久しぶりに本の中に吸い込まれる感覚。
優れた本に出会うといつも感じるんだけど、本や文章なんて本来は文字の羅列でしかないモノなのに、そこに出てくるものにハッキリと触れることができるし、本当に見ているかのような風景が広がり、風や雨の匂いまでわかる。痛みまで鋭敏に感じる。
不思議なもんです。
そんな本でした『ガケ書房の頃』は。
京都に実在した名物書店『ガケ書房』店主 山下賢二さんの半生を綴ったリアルで生々しいエッセイ
タイトルにもある『ガケ書房』は、かつて京都市左京区北白川にあった名物書店。京都では知らない人はいないと言われるほどの街のランドマークでもありました。
今はそこから15分後のところに、新たな店名『ホホホ座』として移転しています。
上にも書いた通り、私、この本を購入する前々日まで、偶然にも京都にいたんですよ。
『ガケ書房の頃』は以前から読みたいと思っていましたが、それが京都にあるなんてまったく知らずに。しかもかなり近くを通っていました。
神社仏閣や文化財を周るために行った京都ですが、何か忘れ物をしてきたような感覚がずっと残っていたんです。それは、知らぬうちに『ガケ書房』に引き寄せられていたのかもしれません。
まぁ、そんな『ガケ書房の頃』の中身ですが、
著者は『ガケ書房』店主の山下賢二さん。
『ガケ書房』が2004年に京都市左京区北白川にオープンしてから、2015年2月に閉店するまでの、店主の赤裸々な気持ちを綴ったエッセイです。
山下賢二さんの弱さも、強さも、リアルに生々しく描かれており、強烈な本でした。
少年期の言葉を話さずに、手話や筆談で過ごした日々から、家出して職を転々とした青年期、『ガケ書房』開店から閉店まで、書店運営の実状、苦悩が実に鮮明に記載されていて、著者の楽しみも、痛みもヒシヒシと伝わって来る思いです。
等身大ってのはこういう事なんだろうなぁ。
自分の人生を重ね、購入したNorth Lake Cafe & Booksさんを重ね、京都と自分の街を重ね。
最初から最後まで、息を吐く暇もなく読めてしまう本でした。
時が止まったように感じた二時間半。
一度も行ったことが無いはずの京都ガケ書房。なぜか自分がいたような感覚を今も感じています。
また読み返すだろうな。

著者の山下賢二さんの半生を追体験するような本、この世に生きる人には全員ドラマがある
繰り返すけど本当に生々しい本です。
山下賢二さんの楽しみも、苦しみも、手に取るように感じることができます。
ふだん自己啓発本ばかり読んでいる人に、ぜひ手にとっていただきたい1冊。
また、あんまり本を読まない人にもオススメしたい。
我を忘れて本を読むって経験はなかなか出来ないし、著者の人生を追体験できるような本に触れる機会もあまり無いでしょう。
これから起業したい人なんかも読むといいんじゃないかな。
読み終わって感じたことは、この世に生きる人には全員ドラマがあるんだなぁということ。
今、自転車で通り過ぎたオジさんも、バスを待っているおばあちゃんも、ステップワゴンに乗った子連れのあの兄ちゃんも、み〜んな紆余曲折いろんな人生を送っていて、時には修羅場をくぐり抜け、時にはいっぱいの幸せを感じて生きているんだろうな。
読み終わって、ドッと疲れた。
山下賢二さんの半生だもの、そりゃ疲れるよ。
週末の読書にぜひ!
[amazonjs asin=”4904816196″ locale=”JP” title=”ガケ書房の頃”]山下さんのお店は『ガケ書房』から『ホホホ座』になり、現在も京都で営業されています。【追記】
京都の名物書店「ガケ書房」は移転&改名し、現在は約1キロほど南下した場所に「ホホホ座」という名前で営業しています。
新刊、古書、雑貨、文房具などに囲まれ、ギャラリースペースなどもある素敵な空間。
ホホホ座浄土寺店
営業時間 11:00~20:00
定休日 無し
〒606-8412 京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1階・2階
現在も、店舗でコーヒー企画やったり、各地にイベントで出店したり、全国に店舗を増やしたり(センスが合えば…という思いで店名を共有、それぞれ経営は独立しているそう)、本当に楽しそう。
京都市 「ホホホ座三条大橋店」
広島県尾道市 「ホホホ座尾道店コウガメ」
愛媛県今治市 「今治ホホホ座」
大阪市阿倍野区「ホホホ座西田辺」
大阪府交野市 「(本)ぽんぽんぽん ホホホ座交野店」
石川県金沢市 「ホホホ座金沢」
コーヒー焙煎所「ホホホ座珈琲大野」
めっちゃ増えてるし!
いつでも『ホホホ座』本店?に気軽に立ち寄れる、京都にお住まいの方が羨ましくて仕方ありません。
ホホホ座浄土寺店の入るハイネストビルには他にも多数の個性的なお店が入っています。
もはやハイネストビルだけでも、京都の観光地の一つと言えるかもしれません。
いや…見た目は住宅地というか、商店街というか… そんな中に突然現れるお店ではありますし、ハイネストビルも『ビル』っていうビルを想像するとだいぶ違うかもしれませんが…
楽しい空間であることは間違いありません。
山下さんの別の著書『わたしがカフェをはじめた日。』もだいぶ気になっています。。
[amazonjs asin=”409388417X” locale=”JP” title=”わたしがカフェをはじめた日。”]なんかどんどんデッカくなっていますね。