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2012年アメリカの大統領選挙におけるネット戦略対決
こんばんは!
マーケティング・コンサルタントの落合正和です。
2012年のアメリカの大統領選挙時、共和党陣営とオバマ陣営との間では凄まじいネット戦略対決が行われていました。
その中でも、注目すべき事例がありますので、ご紹介しようと思います。
共和党全国大会のバイラルマーケティングは大成功だった。
実はこの大金をかけた共和党全国大会。
ソーシャルメディア上でバイラル(口コミ)を起こすという目的に対しては、共和党にとって過去最大の大成功と言っても良いほどの結果を産んでいます。
サプライズ・ゲストとして、ハリウッドを代表する名優、クリント・イーストウッドを起用する(ここでの問題発言等もあったのですが、それはまた後日…)など、数百万ドルを投じながらも、大きな話題を産むことに成功しました。
共和党大会開催時のツイート総数はなんと400万件!
共和党の大統領候補ロムニーのスピーチ時には、毎秒14000ツイート。

これは大変な数字です。
この日のツイート数は、2008年の大統領選挙時のツイート総数を超えてしまっています。
しかしながら、オバマはこれに匹敵する数字を、経費ゼロで叩き出してしまいました。
経費ゼロで共和党を打ち破ったオバマの戦略
上記の通り、共和党大会は大成功を収めました。
しかしながら、ネット戦略を得意とするオバマ陣営は、数百万ドルを投じた共和党全国大会をものともせず、経費ゼロで巨大なバイラルを作り上げてしまい、翌日のGoogle Newsのトップを飾ってしまいます。
では、オバマは何をしたのでしょうか?
1、オバマだけど、質問ある?
“米国版2ちゃんねる”とも言える「Reddit」に予告なく登場。
「オバマだけど、質問ある?」と呼びかけ、わずか30分で、500万PVを叩き出してしまいました。
2、クリント・イーストウッドにツッコミを入れる
共和党全国大会にサプライズ・ゲストとして登場したクリント・イーストウッド。

「見えない」オバマ大統領が隣に座っている体で話す、一人芝居のような演説を行ったクリント・イーストウッドですが、これをオバマが見逃すはずがありません。
チャンスとばかりに、“This seat’s taken”(大統領の席は空いてません。)とTwitterでツッコミを入れます。

こういったジョークはTwitterユーザーは大好き。(コレ系の返しは孫正義氏も大得意ですね。)
なんとこれが51000リツイートを叩き出します。
3、ホワイトハウス自家製ビールのレシピ公開
ホワイトハウスには敷地内で製造される自家製ビール「ホワイトハウス・ハニー・エール」と「ハニー・ポーター」があります。
オバマこのビールの存在を明すと、ビール愛好者らからレシピの公表を求める声が相次ぎました。
ちょうどこの話題はマスコミを賑わせていたところだったのですが、このビールのレシピ公開を、オバマは共和党全国大会にぶつけてしまいます。
ビールファン待望のレシピですから、当然大騒ぎ。
話題をかっさらってしまいました。
落合はこう思う!
このようにオバマ陣営はバイラル(口コミ)マーケティングを上手に使って、経費ゼロで翌日のGoogle Newsのトップを飾り、あっさりと話題をかっさらってしまいました。
これは、私たちのビジネスにも十分応用可能です。
SNSが存在する今の時代は、莫大な広告費を要するテレビCMを越える広告効果を、ネットから経費ゼロで産み出すこともできるのです。
もちろん日本の政治マーケティングにも十分対応可能でしょう。でも…日本には2ちゃんねるで質問を受ける政治家はいないだろうなぁ。。。と思いますが。
キレのあるツイートを打てる人も日本の政治家にはいませんね。橋下さんぐらいでしょうか?
日本でのネット選挙も解禁されましたが、政治家がTwitterでつぶやく内容と言えば、どこどこの駅前で演説しますやら、どこどこの集会に参加しますやらと、Twitterがただの広報掲示板と化しています。
まともにTwitterを使える日本の政治家はがほとんどいない状況ですので、次の選挙に向けてこういった事例をよく見ておいてほしいですね。
ぜひ、このオバマの事例を活用し、あなたのビジネスに活かしてみてくださいね。
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