目次
近況報告 メディア出演について
佐野研二郎氏の東京オリンピックエンブレム騒動について、多くのメディアから取材をいただきました。
まずは出演番組の報告を。
日本テレビ『ZIP!』
TBS『Nスタ』
テレビ朝日『グッド!モーニング』
テレビ朝日『モーニングバード』
上記番組に出演させていただきました。
その他、まだオンエアとなっていないラジオ番組含め、多数の取材をいただいております。
心より感謝申し上げます。
また、テレビ出演の際は毎度… 汗っかきのため途中途中汗を拭って頂いたり、メガネが曇ってご迷惑をおかけしたりと、番組制作関係者のみなさまにはご迷惑を…
申し訳ございません。。。
また、『Netflix』、『Amazon プライム・ビデオ』等、動画配信サービスに関する取材も、週刊誌、ラジオ番組から数件いただいております。
こちらも後日お伝えして参ります。
佐野氏東京オリンピックエンブレム騒動 メディアでお話した内容まとめ
各メディアでお話しさせていただいたことを、こちらでもまとめてみようと思います。
まず、佐野氏東京オリンピックエンブレム騒動、なぜここまで大きな話題になったのか??
といった点に触れてみましょう。
要因は3つあると分析しています。
Webサービスの精度の向上と、ユーザーへの浸透
ひとつはGoogleの画像検索などのツールで、カンタンに類似の画像、関連する画像を探せること。
画像検索の精度はここ最近かなり向上しており、大量の類似画像、関連画像を一瞬、かつ詳細に検索できるように進化しています。
また、かつてはデザイナーやクリエイターのためのツールであった、画像加工ソフト、画像編集ソフト(スマホアプリも含め)なども、よりシンプルに誰でも使えるツールが普及しました。
それによって、多くのユーザーが、元画像を反転させて類似画像を探す、部分的に分解して類似画像を探す…など、高度な検索を展開できる環境になってきました。
こういったツールの発達面が、盛り上がりを加速させた要因のひとつかと思います。
ソーシャルメディアや、まとめサイト、それを拡散するキュレーションメディアの普及による、Web上での交流の文化の醸成
ふたつ目の要因は、ソーシャルメディアや掲示板サイトなどによる人と人のつながり。
ソーシャルメディアが普及する以前の個々が分断されていた時代では、一部の限定的な盛り上がりはあったものの、多くの国民を巻き込むような、今回の騒動のように大きな話題に昇華されることは、なかなかありませんでした。
また2ちゃんねるを含む、匿名掲示板の投稿も、まとめサイトの隆盛、キュレーションメディアの発達により、今でこそ誰の目にも触れるようになりましたが、以前には今ほどの露出はありません。
ソーシャルメディアや、まとめサイト、それを拡散するキュレーションメディアの普及は、Webにおける人との交流(匿名、実名双方において)を加速させたことは間違いないでしょう。
少し前にはあまり積極的ではなかった、所謂レイトマジョリティ、ラガード層にも、Web上での交流の文化が醸成されてきたように感じます。
そして、そのつながりやコミュニケーションがあるからこそ、一斉に話題を盛り上げる力を生むのでしょう。
スマートフォンの普及によるWebへのアクセス環境の変化
みっつ目に、何といってもスマートフォンの普及があります。
パソコンを開くという手間がなくても、小さな手の中であらゆる情報にアクセスできるようになりました。
上記のようなソーシャルメディアや、掲示板サイトにおけるWeb上での交流も、より気軽に、手軽に行われる環境が生まれています。
スマートフォンは多くの人が常時肌身離さず持ち歩きます。
つまり、場所も時間も選ばずWeb上の情報にアクセスし、交流し、自ら発信するのが当たり前になった。と、いうわけです。
こういった3つの要因が重なったために、かつてないほどの盛り上がりを見せる騒動へと発展を遂げたのではないでしょうか。
私見 佐野氏東京オリンピックエンブレム騒動から見えたもの
今回のエンブレム騒動に限ったことではありませんが、Webを使うことの良し悪しはよく語られるテーマです。
私が常日頃申し上げているのは、Web、インターネットは、あくまでもツールであり、それ以上でも、それ以下でもありません。
包丁やクルマ、原子力と同様ですべては使い方次第。
人類を発展させる重要なツールでありながら、使い方を間違えると、人を傷つける武器にもなりえます。
今回の一例をとってみても、
・多くの人に情報が届くことで、これまで見えてこなかった不正などが暴かれる透明性が生まれること
・ユーザーの声が集まることで、権威ある存在の決定を覆す大きな可能性を持ったこと
これはある意味、意義あることでもあったと感じています。
しかしながら、
・行き過ぎた誹謗中傷や、範囲の超えた私的制裁
・ポピュリズムへの懸念
こういったものが見え隠れしたことも事実です。
我々はこれらのすべてを受け止め、これから先の未来に向け、より有用なWebの活用、文化の醸成を目指して、試行錯誤していく必要があるように感じます。
インターネットは、まだまだ成長の過程にあるもの。
悪い面だけ見て、一方的に悪のレッテルを貼る人も存在しますが、私はそういった意見にはとても賛同できませんね。
Webの発達はまだここ数年のもの。
今後、まだまだ多くの問題が起きるでしょうし、正解を求めるための試行錯誤を、我々はしていかなくてはならないのでしょう。