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経営者の中でSNSのビジネス活用に過剰な期待と誤解が蔓延している
ここ最近さまざまな企業の経営者、担当者とお話して感じるのですが、これまで十分なWeb活用をしてこなかった伝統的な企業は、Webに対して過剰な期待と誤解をしていることが多々見受けられます。
特にSNSに対しては魔法のようなものだと思っている経営者が本当に多い。
『Facebookやればカンタンに集客できるんでしょ!』
『ウチの商品をネットでバズらせてくれない?』
『LINEやれば売り上げ上がるって聞いたんだけど。』
こんなことをよく言われます。
そこで私がお伝えする言葉…
『SNSは魔法ではありません。運用すれば即、売り上げが上がるようなものでもありません。』
魔法だと思って頼ろうとする経営者は非常に多いのです。
ではなんのためにSNSを運用して、どんな効果が期待できるのか?
今回はSNSのビジネス活用の本質についてお伝えいたします。

SNS活用の失敗事例『フォロワーが増えれば、投稿を増やせば、売り上げは上がる!』の間違い
これ本当に誤解が多いです。
SNSの目的がフォロワーの数増やしになってしまっている企業は本当に多いです。
『数が増えれば売り上げが上がる』
という昭和的なマスマーケティングの論理ですね。
需要が供給を上回っていたバブル崩壊前はこれで良かった。出店数を増やせば増やしただけ売り上げが増す時代が確かにありました。
伝統的な企業は、こういったマスマーケティングでの成功体験を持っているため、この呪縛からなかなか逃れることができません。
そして、このマスマーケティングの理論をSNSに持ち込むと、確実に大失敗します。
某企業で実際にあったのですが、
1、Facebook広告と店舗告知でフォロワーを大量獲得
2、割引情報を毎日投稿
3、でも、まったく反応が無い
ここで経営陣が放った言葉が、
『フォロワーの数が足りない!投稿の数も足りない!もっと数を増やすんだ!!』
こうなるともう嫌われスパイラルの渦に巻き込まれます。
《◯◯%割引!ぜひご来店ください!!》
という投稿が一日に何十回も投稿され、どんどんフォロワーが離れます。この時点でフォロワーからすれば、もうスパムでしかありません。当然結果が出ない。
ここで経営陣は次の指示を出します。
『割引が足りないから結果が出ないんだ!もっと安くしろ!(ついでにその分を人件費削減しろ!)』
人件費削減でサービス悪化。さらに客離れ。割引を強めることで当然利益減少。
最終的な経営陣の判断は…
『なんだ!SNSなんて何の役にも立たないじゃないか!』
マスマーケティングの理論でただただ数を追うと、こういったことが起きるわけです。
数字を追いたくなる気持ちはすっごくわかるんですけどね。
でもこのパターンでSNS活用から手を引く企業ってめちゃくちゃ多いんですよ。

あるべきSNSのビジネス活用の方法とは?
このブログでは繰り返しお伝えしていることで、継続して読まれている読者様には耳タコの話ではありますが、数を追うマスマーケティングは、もう死にました。
需要よりも供給のほうが多く、Webが普及した現在は、企業と消費者の立場は逆転しています。
かつては企業が一方的に上から目線で情報を流していればそれで良かった。
しかしながら現代は消費者のほうが立場が上です。消費者は有り余る選択肢の中から、好きなモノを選ぶことができるのです。
そうなると必要になってくるのが、企業と顧客との距離を縮めること。
これがSNSの役目なんですね。
しっかりと顧客と向き合い、コミュニケーションをとる。
“顧客に好かれること”
この一点に集中することが重要なのです。
あるべきSNSのビジネス活用の方法とは、芸能活動にも似ています。ファンづくりのための活動なんですよ。
そうそう。
これもいつも書いていますが、SNSの担当者はコミュニケーション上手な人を選任しましょうね。
企業の多くが『パソコンに強い人』を選任しようとしますが、これは大きな間違いです。私の経験上パソコンに強い人ってコミュニケーション苦手な人が多いんですよ。

顧客に好かれるには、どんな情報を発信すれば良いのか?
“顧客に好かれること”
に集中するならば、なぜ数を追う割引クーポンスパムのようなことをやってはいけないのか?
ご理解いただけたかと思います。
まず最初にしっかりとペルソナを設定することです。
ペルソナとは?
企業が提供する製品・サービスのもっとも重要で象徴的なユーザモデルのこと。
Wikipediaより
そして、あなたの設定したペルソナは、
・どのような情報を求めているのでしょうか?
・どんな関係性を好むのでしょうか?
・何を心地よいと感じるのでしょうか?
これを徹底して考え抜き、調査し、コンテンツをつくることが大切になります。それによって、顧客との関係性が生まれ、距離が縮まり、ファンとなり、製品やサービスの購買につながるわけです。
バズが起きる要因も、タイトルの工夫など、色々テクニックもありますが、本質的には“顧客の興味のあるコンテンツであること”なのです。

SNSを使えば瞬時に結果が出るという誤解も多い
『ネットを使えば瞬時に人に情報を伝えることができる!だから即効性がある!』という誤解も多いです。
確かにWebを使うことで多くの人に瞬間的に情報を届けることができるのは事実ではありますが、上記でも述べた通り、SNS活用の目的はファンづくり。一朝一夕にして成るものではありません。
その分しっかりと関係性を構築できれば、長く継続的に購買していただけるようになるのです。
むしろSNSはじっくりと時間をかけて活動すべきもの。
すぐに結果が欲しい気持ちはよくわかるのですが、焦って動くとまたスパム思考になってしまいます。
コツコツと長期スパンでのファンづくりに励みましょう。

まとめ
要点をまとめましょう
・SNSでは数を追わない!
・SNSでは”顧客に好かれること”第一に活動する!
・SNS活用は時間をかけてコツコツと!
数を追いたくなる気持ちも、結果を焦る気持ちもよくわかるんですよ。
でもSNSにおいては、その気持ちは仇となります。
大事なことは『モニターの向こうには生身の人間がいる』ということ。
ここを意識すれば必然的に結果につながります。あなたの会社も、もう一度イチからSNS活用を見直してみましょう。
SNS活用の本質は顧客とのコミュニケーションにあるのです。
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