イベントいっぱいの秋の手賀沼、静かに白樺派の文人の足跡を追ってみるのも乙ですよ!
手賀沼エコマラソンが近づいてきましたね。
毎年恒例の手賀沼エコマラソン。今年は10月25日に開催のようです。
今日も当日に備え、練習するランナーがたくさん走っています。
この時期はジャパンバードフェスティバルに、エコマラソンと、手賀沼周辺は大いに賑わっています。

さて、そんな賑わいの中、私は静か〜に、旧井上家住宅、楚人冠記念館、白樺文学館を回ってきました。
今回は、以前書いたこの記事、
では、十分に言及できなかった、この3つの観光スポットについてお伝えしていこうと思います。
旧井上家住宅

我孫子市相島新田。
江戸時代中期から手賀沼を干拓して出来たこの地に、旧井上家住宅はあります。
現在、旧井上家住宅は我孫子市の指定文化財として無料で公開されており、手賀沼の干拓が行われた当時の面影を今もなお残しています。
とても落ち着きがあり、不思議な力を感じる場所です。
詳しい旧井上家住宅の歴史については、我孫子市のホームページに記載されていたので、引用してみます。
旧井上家住宅とは
旧井上家住宅は、我孫子市の東端にあり、江戸時代には利根川舟運の主要な港町として栄えた布佐郊外の相島新田にあります。この辺りは江戸時代中期から手賀沼の干拓が行われたところで、相島新田は井上家が開いたことで知られています。
井上家は、江戸時代前期から江戸尾張町(現:銀座)で食料雑貨商「近江屋」を営んでいましたが、4代目の井上佐次兵衛の代に「享保の改革」の一環として実施された手賀沼の干拓事業に参入し、この地に移住しました。
旧井上家の敷地には、数多くの歴史的建造物が現存しています。大規模な母屋は、敷地の西側北寄りに東に面して建ち、南側には端正な庭園が設けられています。東側には一段高くした地盤(洪水対策のために築いた水塚〈みづか〉と考えられる)の上に二番土蔵があり、その南側に新土蔵が並びます。敷地の北端には油を漉す作業場だった旧漉場(こしば)が残っています。
表門は東側北寄りに設けられており、両側には築地塀が取り付き、北側の旧道境にも屋根塀が延び、母屋の北側に裏門が開かれています。このうち母屋と表門、二番土蔵は江戸末期、旧漉場と裏門及び裏門両脇の屋根塀などが明治後期、新土蔵と庭門及び両脇屋根塀が昭和初期に建設されたものです。
いずれも風格と格式を具えた良質の建築であり、きわめてよい状態で保存されてきました。手賀沼開墾に尽くした豪農と屋敷景観を今日にとどめる貴重な文化遺産となっています。
旧井上家住宅の入り口はこちらから。

風格がありますね。
家紋の入った大きな門は、当時の井上家がいかに力を持った豪農だったのかが、よくわかります。

そうそう、門の前は広い駐車場になっていますので、車でドライブがてら見学に来るのも良いですね^^
中には大きな土蔵がふたつ。

江戸末期に建てられた古いほうの土蔵は、さすがに損傷が激しいです。歴史を感じますね。
新土蔵のほうはさすがに堅牢で、中にはピアノが…

う〜ん。良い雰囲気。このピアノも歴史あるものなんですかね〜。
同じく江戸末期に建てられた母屋は、さすがの豪華さです。(一部後年に増築された部分もある)保存状態も良く、「素晴らしい!」のひとこと。玄関先で数分、物思いにふけってしまいました。



いや〜すごい!
母屋、土蔵以外にも、旧漉場と呼ばれる、新田開発時に仕事場や宿舎として使われた建物や、美しい庭も鑑賞することができます。
徒歩やレンタサイクルではちょっと距離があって、行きづらいですが、車で手賀沼観光に来ている方には、ぜひ一度見に行ってみることをオススメします。
ノスタルジックな雰囲気が好きな人にはたまりません!
■公開日:火曜日から日曜日(月曜日、年末年始は閉館。ただし、月曜日が祝日の場合は、次の平日が閉館)
■公開時間 9時から16時(入場は15時30分まで)
■所在地 〒270-1106我孫子市相島新田1番地(入場無料)
※クルマじゃないと駅からも、手賀沼からもちょっと距離あります!
杉村楚人冠記念館
今年没後70年を迎えた杉村楚人冠。
杉村楚人冠(本名:杉村廣太郎)は、明治末期から昭和前期、東京朝日新聞で活躍した世界的なジャーナリストです。
もともとは東京に住んでいた杉村楚人冠ですが、手賀沼を一望できるこの地に魅了され、最初は別荘として居を構え、関東大震災後は住まいとしてここで生活をしていました。
この手賀沼湖畔を舞台に、名エッセイ集『湖畔吟』など多くの作品を執筆しています。
当時はこの屋敷を「白馬城」名付けていたようです。
その「白馬城」が、現在は”杉村楚人冠記念館”として公開されているんですね。
昨年公開された、嵐・相葉雅紀主演の『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』のロケ地となったこともあり、全国各地から多くのファンも訪れているようです。
来館ノートには、大阪や北海道から来ている観光客の方の書き置きも。
さて、この杉村楚人冠記念館ですが、こちも豪華絢爛です。
広い敷地内には、楚人冠の愛した椿を筆頭に、杉、松といった針葉樹、梅、桜と、美しい花木が植えられています。
現在は記念館となっている美しい母屋。手前はサンルームになっています。お洒落…

中には楚人冠の読んでいた古書もいっぱい。

これって貴重ですよね〜。
母屋以外にも、茶室、澤の家、蔵などがあります。
茶室の横を抜け、階段を下りると浴場の後も…
いやぁ…豪華ですね。。。

ここで杉村楚人冠は執筆を行っていたそうです。
広い園内はいたるところにベンチが設置され、公園のようになっています。
散歩がてらに美しい花木を見に来るのも良いですね。
※入場料がかかるのは母屋の記念館だけです。邸園のみ見学は無料!
■開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
■休館日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合は直後の平日)年末年始(12月29日~1月3日)
■入館料:一般300円/高校生・大学生200円
※団体20人以上2割引 中学生以下無料
白樺文学館

志賀直哉邸の目の前にある白樺文学館。
柳宗悦、柳兼子、志賀直哉、武者小路実篤、バーナード・リーチなど、手賀沼を愛しこの地で創作活動にふけった白樺派の文人たちの活動を、広く次代に伝えるため建設されました。
この白樺文学館、公民館のように地味な外観からは想像ができないほど、屋内はモダンでオシャレ!
地上3階、地下1階。
決して広い建物ではありませんが、美しい館内には、柳兼子が晩年愛用したピアノ、白樺派の作品などが置かれた、大小の展示室、柳兼子の歌曲が流れる音楽室、白樺派民藝運動関係書籍の閲覧ができる図書室と、みどころは豊富です。
残念ながら館内は撮影禁止のため、ここでは写真での紹介ができないのですが、本当に美しいです。
トイレなんか高級ホテルを思わせます。
手賀沼観光で歩き疲れたら、白樺文学館の音楽室のソファで、柳兼子の歌曲に癒されてください。
この小さな文学館には、韓国、香港、フィリピン、ニュージーランドなど、海外からも多くの人が訪れているようで、随分と国際的な来館ノートが置かれていました。
ぜひ一度ご覧になってみることをオススメします。
■開館時間:9時30分から16時30分まで
■休館日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合は直後の平日)年末年始(12月29日~1月3日)
■入館料:一般300円/高校生・大学生200円
※団体20人以上2割引 中学生以下無料
白樺文学館裏には、手賀沼一番のオススメカフェ、North Lake Cafe & Booksもありますよ〜!
我孫子にブロガーにとって理想のカフェがあった NorthLakeCafe & Books
まとめ

白樺派の中心人物 柳宗悦
この時期、エコマラソンやバードフェスティバルなど、イベントいっぱい、人いっぱいの手賀沼湖畔ですが、読書の秋とも言います。
白樺派の文人が残した作品を読みながら、静かに周辺散策するのも乙なもの。
杉村楚人冠記念館はもちろんのこと、以前ご紹介した旧村川別荘などは紅葉も素晴らしいですよ!
このあたりの観光スポットは季節ごとに色を変えます。本当に美しいですよ。
ノスタルジックに歴史ある家屋を眺めるにはもってこいの季節!
ぜひこの機会に手賀沼観光へ^^