日本プロゴルフ協会（PGA） ティーチングプロA級/B級講習会に登壇させていただきました

１月、2月と日本プロゴルフ協会（PGA）様主催のティーチングプロA級/B級講習会にお招きいただき、「SNSの運用とリスク管理」をテーマにセミナー講師として登壇させていただきました。

SNS運用におけるリスク事例とその学びの重要性

講習会の前半では、SNS（ソーシャルメディア）運用における代表的なリスク事例を取り上げ、それらのケースから学ぶことの重要性について解説いたしました。SNSは情報発信や顧客との交流に大変有効なツールですが、一方で適切に管理しないと企業や組織の信頼を損ないかねないリスクも存在します。実際の事例を通じて、参加者の皆様にはリスクへの理解を深めていただきました。例えば以下のようなポイントです。

不適切な投稿による炎上リスク

何気ない投稿が予期せぬ批判を招いて炎上してしまった事例を紹介し、事前に内容を精査する重要性をご説明いたしました。投稿前に第三者の視点でチェックする体制づくりや、万一炎上した場合の初期対応策についても触れました。

アカウントの乗っ取り・情報漏洩

SNSアカウントの外部から乗っ取り、不正な情報発信や顧客データの漏洩。映り込みなどによる個人情報の漏洩等のケースについて取り上げました。安全なパスワード管理や二要素認証の導入、投稿直前のチェックなど、基本的なセキュリティ対策の徹底によってこれらのリスクを軽減できることを強調いたしました。

これらの事例から学ぶことで、「自分たちならどう防げたか」「万が一同様の事態が起きたらどう対応すべきか」といった視点を持つことができ、日頃のSNS運用におけるリスク管理意識の向上につながります。

リスク管理と教習所（運転免許センター）での学習の類似点

セミナーでは、リスク管理に取り組む姿勢について、自動車の運転免許取得時の学習になぞらえて説明いたしました。私の持論ですが、教習所での学習とSNSのリスク管理の学習は近しいものがあると考えています。自動車教習所や運転免許センターでは、事故の事例映像を教材として使用し、受講者に安全運転の重要性を学ばせています。同様に、SNS運用においても過去の失敗事例やトラブル事例を学ぶことが、未来のリスクを未然に防ぐために有効です。

この日も、具体的には、「なぜその事故（トラブル）が起きてしまったのか」「どうすれば防げたのか」を分析・共有するプロセスが重要である点をお伝えしました。これは教習所で事故映像を分析する作業と同じく、リスクに対する予見能力を養うトレーニングとなります。参加者の皆様には、日頃から業界内外のSNS事例に目を向け、自身のSNS運用ポリシーをアップデートしていく姿勢の重要性を認識いただきました。

新規顧客獲得・既存顧客へのSNS活用法

また、SNSを活用した新規顧客の獲得方法および既存顧客との関係構築法についても具体的な手法を交えてお話しいたしました。ティーチングプロの皆様が日々のレッスン業務の中でSNSを効果的に活用し、ビジネス拡大や顧客満足度向上につなげていただくことが狙いです。主なポイントは次のとおりです。

新規顧客獲得

なによりも重要なリスト獲りの話から、潜在顧客にアプローチするためのSNS戦略について言及しました。例えば、レッスン風景や指導のビフォーアフターを写真や動画で発信し、ゴルフ未経験者や上達を目指すゴルファーの興味を引くコンテンツ作りを提案しました。また、ハッシュタグを活用した投稿や地域ターゲティング広告により、これまでリーチできていなかった層への認知拡大を図る方法についても解説しております。

既存顧客フォロー

現在の生徒・顧客の方々との関係を深めるSNS活用術についても取り上げました。具体的には、顧客参加型のコンテンツによってフォロワーとのエンゲージメントを高める手法を紹介しました。さらに、SNS上で生徒様同士が交流できるコミュニティ作りや、日々の投稿を通じたコーチとの距離感の縮小が、顧客満足度と継続率向上につながることを強調いたしました。

新規顧客に対してはまず知ってもらうこと、既存顧客に対しては継続的に関係を深めることがSNS活用の鍵であるとまとめ、具体例を交えてご理解いただきました。

生成AIの活用方法とリスク管理

昨今話題となっている生成AIのSNS運用への活用についても言及いたしました。ChatGPTに代表される生成AIは、コンテンツ作成の効率化や新しいアイデア創出に役立つ一方で、適切に利用するためのリスク管理も欠かせません。本セッションでは、生成AIの活用メリットと注意点を以下のように整理してお伝えしています。

コンテンツ制作の効率化

生成AIを用いることで、SNS投稿文やブログ記事の下書き作成、キャッチコピーのアイデア出しなどが効率的に行えることを紹介いたしました。これにより、忙しいティーチングプロの皆様でも定期的な情報発信がしやすくなります。ただし、AIが生成した内容の事実確認や、誤った表現がないかのチェックを人間が必ず行う重要性も強調しております。

チャットボットへの応用

生成AIを組み込んだチャットボットを活用することで、よくある問い合わせに自動対応したり、初歩的なゴルフ相談に24時間応じたりできる可能性について触れました。これにより顧客サービスの向上が期待できますが、一方で個人情報の管理や不適切な応答の防止といったリスク管理も必要です。講習では、AI導入時のガイドライン策定や定期的な応答ログのチェックなど、安全にAIを運用するための体制づくりについても説明いたしました。

その他、日本国内における生成AIの社会実装状況などについてもお伝えしております。

おわりに

以上、PGA様のティーチングプロA級/B級講習会におけるセミナー内容をご報告申し上げました。ご参加いただいたティーチングプロの皆様には熱心に耳を傾けていただき、SNS活用への関心の高さが伝わってまいりました。本講習会の内容が、受講者の皆様の今後の指導活動やビジネス発展に少しでもお役に立てば幸いです。

気がつけばこの講習会での登壇も11年目となりました。お招きいただきましたPGAの皆さ入社前に心より感謝申し上げます。