日本テレビ『ZIP!』に出演。YouTubeなどの動画投稿のリスク管理について解説しました

有名ユーチューバー(はじめしゃちょー)の自宅に女がおしかけ、ストーカー規制法違反の疑いで現行犯逮捕。なぜ自宅を特定されるのか?

12月27日の日本テレビ『ZIP!』に出演いたしました。『ZIP!』は今回で3回目の出演。

今回のテーマは

「動画投稿の危険性と、リスク回避に必要な注意点について」

でした。

ちょうどこの前日に、はじめしゃちょー という有名ユーチューバーの自宅に女がおしかけ、ストーカー規制法違反の疑いで現行犯逮捕という報道があり、このようなテーマになったのですね。

なんでもこの事件で逮捕された女は、つきまとい行為の禁止命令を受けていたにもかかわらず、自宅に押しかけ、侵入したとのこと。

さらにこの容疑者、今年2月にも別のユーチューバーに対して同様の事件を起こし逮捕されています。

恐ろしいことに、自ら「ストーカー系ユーチューバー」と名乗り、動画投稿も行っており…

本当にゾッとする話ですが、動画投稿者へのストーカー行為というものは、この事件の他にも複数起きています。弊社にも相談の電話がかかってきたことは1度や2度ではありません。

そのリスクの対象は人気ユーチューバーに限られたものでは無いということ。

実際に被害に遭われた、はじめしゃちょーさんも一般の視聴者に警笛を鳴らしています。

さすがプロ。明るく楽しく報告してはいますが、110番するシーンの緊迫感を見ると、いかに恐怖を感じたのかが伝わってきます。

今回は、YouTubeなどの動画投稿のリスク管理についてお伝えいたします。

なぜ公開してもいない住所が特定されてしまうのか?モザイク・アプローチとは?

今回の事件の被害者である、はじめしゃちょーさんは日本でもトップレベルのユーチューバー。

小学校高学年くらいの若年世代であれば、知らない人はいないくらいの有名人です。

ある意味、芸能人よりも名を知られる立場で、リスクを避けられない部分もあり、多少の覚悟は持っておられたのではないかと思います。

それでも本来はもっとも安心し、リラックスできるはずの自宅に、見知らぬ人が侵入していたのですから、その衝撃の大きさは計り知れません。

では、なぜこの事件にように「自宅が特定される」ということが起きるのでしょうか?

人気ユーチューバーは多くの場合、顔出しは当然のこと、短い時間ながら毎日のように動画を投稿されています。

年間であれば300本以上の動画を投稿している場合がほとんどです。

そういった大量の動画投稿の中に含まれる、ほんの少しの情報(例えば、言葉の端々から得られる小さな個人的情報や、動画に映りこんだ背景、外の景色、間取り、壁紙、外壁、置かれた持ち物など)をかき集め、特定の要素としていく。

1つの動画だけでは特定する要因にならずとも、過去に投稿された大量の情報と照合することで、特定していく…

これをモザイク・アプローチといいます。

自らを特定できるような情報を、公の場で公開する人はいません。誰だって注意しています。

それでもこのような事件が起きてしまうのは、このモザイク・アプローチによる特定なんですね。

個人情報の漏洩、住所特定は1つの投稿コンテンツからではなく、複数の投稿から得られた情報の組み合わせで起きることがほとんどなのです。

これはもちろん動画に限ったことではありません。すべての情報発信者に言えることですね。

思わぬものから情報漏洩は起きる!モザイク・アプローチによる特定を避ける為に注意するべき点

まずは、特定を避ける為に意識しなくてはならない基本的な要素を確認しておきましょう。

1、具体的な地名や駅名や地域の情報を極力発信しない
2、自宅の画像(内部も含)、自宅近所の画像、動画をアップロードしない
3、鏡、モニター、ガラス類などの反射物の写り込みを確認する

上記は動画の投稿が仕事となっているユーチューバーにとっては厳しい条件かもしれませんが、一般の人であればこのくらいのリスク回避はしておくべきだと思います。

特定要因とされやすい項目を挙げると、

・地域限定マンホール
・電柱の街区表示板
・郵送物の送り状や年賀はがきの写り込み
・回覧板の写り込み

・窓からの景色
・近所のお店
・音、学校のチャイムや、防災無線の声
・脱いだまま放置の学校指定制服、ジャージの写り込み
・自宅の間取り
・発信者の言葉の内容から

などから自宅や、居場所を特定されるケースが多々起きています。注意が必要でしょう。

最近のカメラは大変高性能な為、小さな文字の写り込みでも拡大すれば読めてしまいます。

十分な注意が必要です。

電柱

まとめ

私も含めて情報発信者(SNS、ブログなど公の場に投稿する人すべて)はリスクをゼロにすることは、なかなか難しいものです。

リスクと、得られる利益、投稿の楽しみ、などとのバランスをしっかり判断して発信することが求められます。

特にここ最近は小学生ユーチューバーなども増えて来ています。

仕事柄親御さんから相談を受けることも多いですが、「危ないな〜」と感じるケースも多いです。

とは言えど、この時代に子供に対してSNSの利用を禁止しても、それはそれで問題が起きます。(ぜひ以下の記事も併せてご一読ください)

【危険】SNSに写真をアップする際は、写り込みや位置情報(GPS情報)に注意しましょう!という話。

上記のようなリスク管理を皆で学んで、リスクと受益のバランスを保てるような努力が必要ですね。

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落合正和
株式会社officeZERO−STYLE代表取締役
一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
マーケティング・コンサルタント&Webメディア評論家&ブロガー
ブログやSNSを中心としたWebメディア、生成AI活用が専門。ネット事件やサイバー事件、IT業界情勢、インバウンド観光、生成AIリスクなどの解説で、メディア出演多数。 ブログやSNSの活用法や集客術、SEO、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。 著書: 会社のSNS担当になったらはじめに読む本(すばる舎) ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書(つた書房) はじめてのFacebook入門[決定版](秀和システム)