情報発信者、専門家は、デマや扇動に踊らされない情報との向き合い方を考えなくてはならない

感情の赴くままに情報発信してしまう情報発信者・専門家が多すぎる

新型コロナウィルス禍では皆ストレスが溜まっていたのか、ただただ感情の赴くままにSNSなどで思うがままの発信をしている方が多く、情報リテラシーについて考えさせられています。

TwitterやFacebookなどSNSにおける投稿を見ていると、ユーザーの情報リテラシーの低さに愕然とすることばかりです。やはり災害時、非常時、緊急時など感情の振れ幅が大きい時期ほどその傾向は色濃く出てしまいます。

とにかく脊髄反射的な反応をしている方が多かった。自粛に伴うストレスで自分を見失う人も多かったのでしょう。ある程度は仕方がないような気もしますが…

一般ユーザーはまだ良いのですが、ある程度の影響力を持った著名人、本の著者さん、一定の影響力を持つインフルエンサーなどがカンタンにデマや陰謀論に踊らされたり、誤った情報を拡散している姿を見てきました。

影響力の高い人の発信するデマほど危険なものはありません。それこそ災害時には死者を出す可能性もあります。

今回は、デマや扇動に踊らされない情報との向き合い方についてお伝えいたします。このポストは、“僕に近いブロガーさん達”、”情報発信者、著者、コメンテーターさん”に向けたメッセージです。

新型コロナウィルス禍でチェーンメールがごとく拡散されるデマや陰謀論

仕事柄SNSのタイムラインは毎日チェックしています。

それはもうたくさんの数のデマを見かけました。

・新型コロナウィルスは26度の熱で死滅するからお湯を飲め

だとか、

・感染率は85%!致死率は15%を超える!

だとか、

・中国が生産地だからトイレットペーパーが無くなる!

だとか、全てデマです。

少し調べれば事実では無いことはわかるのに、チェーンメールのようにSNSを通じて拡散されていました。良い大人が善意で拡散してしまっているのがまた辛い。

実際に私のところに届いたデマの一部をお見せしましょう。(原文ママ)

【新型コロナウィルス肺炎の予防のご案内】
いつもお世話になっております。
新型コロナウィルス肺炎の予防について情報が入りましたので、下記のご案内させて頂きます。
知人の病院の理事長からです。
参考にしてください。
今回のウイルスは、熱に、弱いそうです。冷たい飲み物は、厳禁です。いつも、温かい飲み物、ぬるま湯をもちあるいてください。研究所からです。武漢研究所に派遣されるクァク·グヨンの米国友人の文です。 必ずたくさん伝達してください.
彼は無限肺炎ウィルスの研究を行っています。 たった今電話をかけて聞いた内容ですー風邪を引いたときは鼻水と痰があり、コロナウイルス肺炎は鼻水のない乾いた咳なので新しいタイプのコロナウイルス肺炎です。これが最も簡単な識別方法です。このような医療知識についてもっと知れば、予防に役立ちます。
今回に武漢ウイルスは耐熱性がなく、26-27度の温度で死にます。 そのため、お湯をたくさん飲む。 皆んなにお湯を飲ませれば予防できます。陽射しの下に行ってください。 冷たい水、特に氷水を飲まないでください。 お湯を飲むことはすべてのウィルス死滅に効果的です。 ぜひ覚えてください。
コロナウイルスに対する医師の助言:
1.ウィルスの大きさが非常に大きく、(セルの直径は約400-500nm)、すべての一般マスク(N95の機能だけでなく)もこれをフィルタリングすることができます。 しかし、感染した人があなたの前でくしゃみをすれば3メートル離れ、気をつけてください。
2.ウイルスが、金属の表面につけば、12時間以上生存します。 金属に触れた場合は石鹸で手を洗ってください。
3.ウイルスは服で6-12時間活性化状態を維持することができます。 洗濯洗剤はウイルスを殺します。 毎日洗う必要のない冬服の場合、太陽の下に置いてウイルスを殺すことができます。
コロナウイルスによる肺炎の症状:
1.のどを先に感染させ、のどが3~4日間持続される乾燥した咽喉の感じを持つようになります。
2.それではウイルスが混合され、機関に流れ入って肺にも入り肺炎を起こします。 この過程は5-6日が所要されます。
3.肺炎で高熱と呼吸困難が発生します。 鼻腔の混雑は正常な種類と異なります。 おぼれたように息苦しくなるでしょう。 こんな感じなら、すぐに医師の診察を受けてください。
予防について:
1.感染される最も一般的な方法は公開的に物を触ることなので、手をよく洗わなければなりません。 ウイルスは5-10分の間いろんなことが発生することができます (目をこすったりしてはダメです。
2.手をよく洗うことのほかにもBetadine Sore Throat Gargleでうがいうがいをしてのどにいる間、細菌を除去したり、最小化することができます 。
しょっちゅうお湯(白湯は50℃が効果的)を飲むことをお薦ます

お湯を飲んでも新型コロナウィルスの感染防止にはなりません。

そりゃ身体を冷やさないほうが良いのでしょうが… このメッセージは完全にデマです。

ちょっと冷静になればこれが誤った情報であることは、誰でもすぐに見抜けるはずです。よく見れば雑に翻訳ソフトにでもかけたのか、日本語も所々おかしいですし。

それでも良い大人(私の見える範囲ではほぼ50代以上の人が拡散していた)が平気で拡散してしまうあたりは、新型コロナウィルス禍でのストレス等で冷静さを失っていたのでしょう。

知っているブロガーさん(しかも複数)がこれらを拡散している姿を見て、私はちょっとショックでした。良い記事書く人だったのに、これでは信用丸崩れです。

私が言っている情報発信者や専門家、インフルエンサーは何もオンラインだけを対象にしているわけではありません。田舎に行くと未だ君臨している“町の権力者”そういった人も含めてです。

千葉県の旭市では、「従業員や経営者家族が感染した」などとする根拠のないデマが広がり、利用客減による深刻な被害を受けたスーパーがありました。

愛知県瀬戸市のスポーツ用品店と喫茶店でも「感染者が出た」とデマが拡散し、店主がデマの打ち消しに懸命になっています。

アメリカでは抗マラリア薬に新型コロナの治療効果が期待できるというデマが拡散、実際に服用した男性が死亡した事件も発生しています。

デマや嘘を含めた情報が急拡散する「インフォデミック」という言葉も、ここ最近使われる機会が増えましたね。

普段から情報発信者や専門家として周りから認識されている人の発信には、どんな中身であっても影響力が伴います。それは、発信者としての責任が発生するということです。たとえ僅かなフォロワーの範囲だとしても。ビジネスでSNSを活用している人の発信は、本当に注意しなくてはならないのです。

あなたが発信した情報によって人が亡くなる可能性だってあるのです。

ストレスや感情に左右されない情報との向き合い方・発信の仕方

そもそも目にした情報を、何も疑うことなく正面から受け取り、感情のままに発信しているようでは専門家でもなんでもありません。(それが自分の専門分野ではなくとも。)

専門家を名乗っていなければ、それはただの愚痴や世間話として処理できることも往々にしてあるでしょうが、専門家が発信の為に構築したプラットフォームでそれをやるのはダメでしょう。

それであれば専門家を名乗って発信してはいけないわけです。読者はそれをプロの意見として捉えるわけですから。

では、どのように情報を捉え、自分なりの発信を構築すれば良いのか?

それぞれ発信者が自分なりに考えて間違いの無いようにすれば良いわけですが、今後発信を始める人の参考になれば良いと思い、私が情報を辿る際の手順を以下に書きました。

1、一方の情報を詳しく調べる
2、その対角線上にある情報を詳しく調べる
3、中立な立場の情報を詳しく調べる
4、世論の動向を調べる
5、それぞれの情報にエビデンスが存在するのか調べる(エビデンスの無い陰謀論などは情報としての価値を認めない)
6、自分なりの考察をまとめる
7、発信

※情報を調べる際は可能な限りソースまで遡る

もちろん私も全ての事象において、この手間をかけているわけではありませんが、基本的な指針として持っておくだけでも、発信の質は磨かれると思っています。

「こんなこと言うまでも無いでしょう!」と思うでしょうが、テレビに出ている著名人ですら明らかなデマを公の場で発信していることも多いのです。意図したものかどうかは別として…

私の場合、セミナーなどでSEO関連の情報を発信する際は、特に上記を徹底しています。SEOの世界は嘘や陰謀論、妄想も多いですから… 私がSEOについてお話しする際は、必ずGoogleの公式発表をチェックしてエビデンスに基づいているか確認をします。

扱うテーマや内容などによってはエビデンスが必須要件となります。

YMYL(「Your Money or Your Life」の略。Googleの検索品質評価ガイドライン内で「将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に潜在的に影響を与えるページ」を指す)は、オンラインでもオフラインでもエビデンス必須と考えるべきですよ。

また、インフルエンサーやメディアの発信する情報を鵜呑みにし、脊髄反射的に反応したり、感情的になってしまうのは、情報発信者として良い状態とは言えません。

世間が大騒ぎしている時ほど、情報の見極めが必要ですね。

情報発信者のみなさまは、ストレスや感情に左右されない情報との向き合い方・発信の仕方について、ぜひ一度よく考える時間を持ってみてください。私も気を付けますので。

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落合正和
株式会社officeZERO−STYLE代表取締役
一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
マーケティング・コンサルタント&Webメディア評論家&ブロガー
ブログやSNSを中心としたWebメディアが専門。ネット事件やサイバー事件、IT業界情勢、インバウンド観光などの解説で、メディア出演多数。 ブログやSNSの活用法や集客術、SEO、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。 著書: 会社のSNS担当になったらはじめに読む本(すばる舎) ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書(つた書房) はじめてのFacebook入門[決定版](秀和システム)