『生成AIと日本社会:AIにより変化する人生と仕事の未来』

生成AI

人工知能(AI)の進化は、今日の私たちの生活と仕事に革命的な変化をもたらしています。特に、生成AI技術は、その可能性と人間の生活への直接的な影響の大きさから注目されています。本記事では、生成AIが私たちに与える変化、特にビジネスと日常生活に与える影響に焦点を当てます。

最新の調査結果やメディアの報道を引用しながら、日本企業のAI導入状況と、それに伴う課題と機会について詳しく掘り下げます。さらに、AI技術の普及が私たちの仕事の仕方、生活スタイル、そして未来に、どのように影響を与えるのかを考察します。

2023年時点で、国際的な大企業はすでにAI技術を積極的に取り入れ、業務効率の革新を実現していますが、日本ではまだその導入が進んでいないのが現状です。

日本が生成AIの波に乗り遅れることなく、この新たな技術革命の波にどう対応すべきか、読者のあなたと一緒に考えていきたいと思います。生成AIという新しい時代を切り開くツールを前に、日本社会が直面する挑戦とチャンスを、この記事を通じて深く理解していただければ幸いです。

生成AIの普及と日本企業の現状

生成AIの普及が進む中、日本企業のAI導入状況とその未来にはどのような展望があるのでしょうか?このセクションでは、国内外の企業におけるChatGPTの採用状況と、日本特有の課題に光を当ててみましょう。

ChatGPTの採用・導入状況 日本企業と国際的な大企業との違い

2023年9月、東洋経済は面白い記事を報じました。「フォーチュン500企業のうち8割以上がChatGPTを採用している」というのです。これは、AI技術の進化がグローバルなビジネスの潮流を大きく変えつつあることを示しています。

東洋経済キャプチャ
フォーチュン500企業の8割超がChatGPTを採用先行する海外企業の生成AIビジネス活用戦略

ChatGPTのような生成AIは、データ分析、カスタマーサービス、マーケティング戦略など、多岐にわたる分野での活用が見込まれ、企業の競争力を大きく高める要因となっています。私自身も業務にフル活用しており、感覚的には「どんな要望にも応える超有能な秘書が付いた」、もしくは、「自分の脳と腕がもう一組み増えた」くらいの業務効率性を感じます。

日本企業におけるAI導入の実態

しかし、この世界的な流れとは対照的に、日本企業のAI導入状況はまだ初期段階にあると言えます。「AIsmiley」を運営する(株)アイスマイリーが発表した「東証プライム企業ChatGPT導入実態調査」によると、調査対象企業の90%がChatGPTを導入していないと報告されています。

東証プライム企業ChatGPT導入実態調査

この調査結果は、日本のビジネス界におけるAI技術の遅れを如実に示しており、日本がIT革命やスマートフォン市場において見せた遅れが、再び生成AIの分野でも繰り返されるのではないかという危惧を抱かせます。 2023年7月、私が参加した会合で登壇していた企業の役職者の方は(東証ではありませんが、一部の業界の方なら誰もが知る大企業です)、誇らしそうに「ChatGPTのような流行り物に手を出している暇があるならば業務改善を!」、「弊社では業務利用を禁止しました!」とお話されていたのがとても印象的でした。

さらにNHKの報道によれば、「東京都における生成AI導入職員は対象のわずか1割にとどまる」とも報じられました。

東京都における生成AI導入職員は対象のわずか1割にとどまる

これは公共セクターにおいてもAI導入が進んでいないことを示しており、民間企業だけでなく、公共機関においても同様の課題が存在していることを明らかにしています。

2023年末、私が約50名のプロスポーツ選手を対象に行った講演での経験も、この状況を裏付けるものでした。「生成AIを利用したことがありますか?」という質問に、一人も手を挙げる者はいませんでした。

また、ビジネスマンが集まる別の会合では、「生成AIの業務利用を会社から禁じられているか?」と問いかけたところ、7〜8割の人が手を挙げていました。 このような現状は、AI技術の持つ可能性を理解せず、まったく活用できる環境にないことを意味しています。

生成AIは業務効率を大幅に改善し、翻訳からメールの返信、さらには日常生活のアシストなど、多方面で私たちの生活を豊かにすることができます。しかしこの機会を逃し、AI技術に対する誤解や不安が根強く残る日本では、大きな機会損失につながっているのです。 生成AIの進化は日々加速しており、来年にはまた大きく異なる風景が広がっていることでしょう。

私たち日本人は、この変化の波に乗り遅れないよう、AIリテラシーの向上と積極的な導入を進める必要があります。生成AIを適切に活用し、これからの時代をリードしていくための一歩を、今踏み出すべき時なのです。

日本が、日本人が、生成AI革命に乗り遅れるのではないか?という危惧

いま、私は、IT革命、スマートフォン市場に乗り遅れた日本が、また生成AIにおいても乗り遅れてしまうのではないかと危惧しています。私個人の考えとしては、生成AIの登場はインターネットの登場、もしくは、それ以上の大変革だと捉えているのです。

実際に私はプライベートにおいても、業務においても、生成AIの無い生活はもう考えられない状態になっています。 生成AIを活用すれば業務効率は2倍にも3倍にもなる、失礼の無いメールの返信文を書くなどお手のものです。いままで10分かかっていたものが数秒で終わります。翻訳だって一瞬です。業務のみならず、日常生活においても大変便利な存在で、夕飯の献立を考える苦労も減少し、健康相談だってできてしまう 。

その一方で、各地での講演や会合での合間に聞いた参加者の声を見るに、日本には生成AIに触れたことも無い人が未だ多数存在します。ただの流行り物だと思っている人がいます。それどころか、人によってはAR、VR、メタバース技術などと混同しており、生成AIが何かを全く理解していない人がいます。日本においては、そのような人たちがマジョリティであり、私のように毎日生成AIを使用するような人間のほうがマイノリティなのです。

これからは人間の生活をあらゆる場面でAIがアシストしていく時代になります。もう後戻りすることは無いのです。好みの有無ではなく、誰もが生成AIというインフラを利用して生きていく時代になるのです。しかしながら、多くの日本人のAI像は、呪文の効かない相手にザラキを連発するクリフトのイメージで固定されているのです。

生成AI イメージ「Bard」

生成AI活用の誤解、誤用、そしてAI格差

生成AIの活用には慣れとコツが求められます。

生成AIはハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象のこと)を頻繁に起こします。まるで観てきたように嘘をつく。それには注意が必要ですし、 それらを見抜けるだけのリテラシーを人間が持たなくては、生成AIを存分に使いこなすことができません。

一部の人は生成AIがあれば、人間の知識は不要になると思っているようですが、そんなことはありません。生成AIはプログラムも書いてくれますが、現状、生成AIを使ってプログラムを書き、何かを作り上げることができる人は、プログラミングを理解している人だけです。いずれはノーコードでなんでもできるようになるでしょうが、その時点で人はAI格差が生まれているでしょう。

これからはAI格差が拡大していくでしょうね。

AIを上手に使いこなせる人と、使いこなせない人で、仕事の面でも、収入の面でも、社会的地位などにも大きな影響が出ていきそうです。

AI格差時代について行けない人:短絡的な思考の持ち主

そうそう、いま「生成AIなんてまだ使い物にならない」と言う人は大変多いのですが、これを言う人の多くが、生成AIの使い方を間違えています。検索エンジンのように、情報を収集するために生成AIを使う人が非常に多い。プロンプト次第でそれも不可能ではありませんが、多くの場合ハルシネーションの壁にぶち当たります。 この手の短絡的な思考の人の多くはプロンプトを工夫しようという概念はありませんから、生成AIに対して「◯◯について教えて」といったプロンプトとも言えない質問を投げかけ、ハルシネーションを起こした生成AIの回答を嬉々としてSNSに投稿しています。そして、「ほら、生成AIなんて使い物にならないでしょ!」と結論づけているわけです。実に嘆かわしい。使い物にならないのはあなたのほうだと言いたい。

AI格差時代について行けない人:生成AIと主従関係が逆転する人

生成AIと主従関係が逆転してしまう人もいます。生成AIは自分よりも賢いのだから間違うわけがないと盲信してしまう人ですね。このタイプの人は生成AIの指示がないと何もできなくなってしまったり、生成AIに意思決定を委ねてしまう。AIは人間のアシスタントの為に存在しています。相談したりアイデアを出してもらうのは良いことですが、最終意思決定者は人間です。生成AIを勝手に上司にしてしまわないことです。

AI格差時代について行けない人:プロンプトが書けない人

また、検索エンジンを上手に使いこなせない人がいるように、生成AIへの質問(プロンプト)を上手に書けない人もいるでしょう。 プロンプトにはある程度コツが存在するのは事実です。いくつかの基本的な型(Chain-of-Thought(CoT思考の連鎖)プロンプト等)を理解しておけば大したことはないが、そこに至らない人のほうが多いでしょう

そもそもプロンプトは生成AIの回答を見ながら、少しづつ理想の回答になるように調整していくもので、多くの場合、一撃で理想の回答など得られないことがほとんどですが、それを理解していない人が多いです。

いずれにしても、このような理由で生成AI格差というものは生まれてくるのでしょう。

生成AI時代こそ人間の能力、リテラシーが求められるようになる

このように生成AI格差は人間の能力、人間の持つリテラシー、経験の差で生まれてきます。実は生成AIが世に浸透するにつれて、より人間側の能力やリテラシーが強く要求される時代になっていくのです。

それに気づいている人は少ないでしょう。

生成AIの進化のスピードは激しいです。来年の今頃には、今とは全く異なるものになっているだでしょうね。2023年のChatGPTだけを見ていても凄まじい変化でした。

毎日何時間も生成AIを利用している私でも、この勢いについていけるのか不安で仕方ないのです。 多くの日本人はもっと焦るべきなのではないでしょうか?生成AIリテラシーを身につけていくべきではないでしょうか?

生成AIの無かった世界に逆戻りすることは無いのです。

GrandViewResearch によると、現在、AI市場の価値は約1,366億ドル。世界のAI市場は2030年までに1 兆8,100億ドルに達すると予想されています。もう後戻りはできません。

まとめ 〜生成AIは使うことがリスクなのではなく、使いこなせないことがリスク〜

時代は非情にも流れを止めることはありません。生成AIは人類のインフラとなり、誰もが利用する時代になります。それもあと1年後、2年後というレベルです。

生成AIについて、リテラシー云々さんざん述べてきましたが、もちろん私も十分ではありません。この記事を書きながらも、烏滸がましいと思っています。それでも「食らいついていかなくては」という危機感だけは持っています。「私には関係ない」、「興味ないから」、「IT業界じゃないから」、そんなこと言ってられないのですよ。誰もが使わざるを得ない状態になるのです。

生成AI格差はこれから大きくなっていくでしょう。それも、激しいスピードで。しかしながら、使い方次第ではあなたの人生を大きく変えるツールにもなるでしょう。

単純に便利なだけでなく、大きな成功を掴む要因にもなりうるのです。これからの数年間、間違いなくそのようなAI長者が次々に出てくることでしょうね。 逆に使いこなせなかった場合、時代に置き去りにされ、大きなリスクとなる可能性が高いです。

社内利用を禁止し、それを誇らしげに語っている場合ではありません。

私もこの記事を読んだあなたと一緒に頑張りたいとおもっております。この時代に食らいついていきましょう。

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落合正和
株式会社officeZERO−STYLE代表取締役
一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
マーケティング・コンサルタント&Webメディア評論家&ブロガー
ブログやSNSを中心としたWebメディアが専門。ネット事件やサイバー事件、IT業界情勢、インバウンド観光などの解説で、メディア出演多数。 ブログやSNSの活用法や集客術、SEO、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。 著書: 会社のSNS担当になったらはじめに読む本(すばる舎) ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書(つた書房) はじめてのFacebook入門[決定版](秀和システム)