ブログ・オウンドメディア運営における ペルソナ設定の実践ガイド

ペルソナの設定
ペルソナの設定

目次

ブログ・オウンドメディア成功のためのペルソナ設定:詳細なガイドラインとその重要性

ブログ・オウンドメディアのコンテンツ作成や運営は一見単純な作業のように見えますが、実際にはその背後には深い戦略と洞察が必要とされます。その中でも重要な要素の一つが、「ペルソナ設定」です。本節では、ブログ作成のためのペルソナ設定について詳細に解説し、その重要性と具体的な作り方を掘り下げます。

※この先からは大部分においてブログ・オウンドメディアを略して「ブログ」と表現します。ご了承ください。

ペルソナとは何か?ブログの成果にどのように影響するのか

ペルソナ設定とは、理想的な顧客やユーザー、ここではブログの読者を具体的なキャラクターとして設定することを指します。このキャラクターは、年齢や性別、職業、興味、価値観、購買動機等の特性を具体的に持つ人物像であり、マーケティングやコンテンツ作成の際の参照点となります。

例えば、あるブログが主に20代〜30代の女性向けの健康と美容に関する情報を提供する場合、そのペルソナは「20代後半のOLで、日々の疲れやストレスを感じつつも美容と健康に気を使いたい」という具体的な人物像になるかもしれません。

このペルソナ設定がなぜ重要かと言うと、それがブログの成果に大きな影響を与えるからです。ペルソナ設定を行うことで、ブログの内容や形式、トーンや言葉遣いなどをそのペルソナが関心を持ちやすい形に調整できます。これにより、ブログはより魅力的で役立つ情報源となり、読者のエンゲージメントとロイヤルティを高めることが可能になります。

ペルソナ設定

エンゲージメントとは?

エンゲージメントとは、ユーザーが特定のコンテンツやブランドに対してどの程度関与(engage)しているかを指すマーケティング用語です。これはウェブサイトへの訪問回数、ページビュー数、滞在時間、ソーシャルメディアでのいいねやシェア数など、ユーザーの行動により計測されます。SEOでは、高いエンゲージメントがサイトの質を示し、検索エンジンランキングの向上に寄与します。

ロイヤルティとは?

ロイヤルティは顧客のブランドに対する忠誠心や繰り返し利用する意向を指します。これは購買回数、リピート率、顧客満足度などで測定されます。オンラインマーケティングの世界では、ロイヤルティの高い顧客はブランドを推奨し、新たな顧客を引きつける力となります。また、ロイヤルティの高い顧客ほど、長期的に見てビジネスにとって価値があります。

ペルソナ設定と読者理解

ブログの成功は、検索意図等、その読者をどれだけ理解できるか?に強く依存しています。読者の興味や悩み、疑問、欲望を把握し、それらに応えることができるブログは、より多くの読者を引き付ける力を持ちます。

ペルソナ設定は、この読者理解を効果的に行うための重要なツールです。ペルソナ設定を行うことで、読者の興味やニーズを明確化し、それらに対応するコンテンツを作成する方向性を持つことが可能となります。

要するに「刺さるブログコンテンツ」を作るためにはペルソナの設定はマストです。

ペルソナとターゲットの違いとその適切な利用法

ブログ運営やマーケティング戦略の設計において、「ターゲット」と「ペルソナ」は非常に重要な要素です。これら二つはよく似ていますが、具体的な意味と利用方法には大きな違いがあります。理解と適切な利用を通じて、より効果的なブログ作成やマーケティング戦略が可能になります。

「ターゲット」はブログや製品が到達しようとする一般的な読者群や顧客基盤を指し、人口統計学や心理学的特性に基づいて分類されます。例えば、あるファッションブログのターゲットは「20代から30代の女性」であったり、某化粧品ブランドのターゲットが「肌の老化に悩む40代以上の女性」であったりします。ターゲットを理解することで、ブログや製品のマーケティングに役立つ情報を得ることができます。

一方、「ペルソナ」は、そのターゲットの中でも特に焦点を当てる具体的な個人像を指します。ペルソナはターゲットオーディエンスの個々のメンバーを特定するための詳細なプロファイルで、特異性が高いと言えます。先ほどの例でいえば、ペルソナは「20代後半の港区に住むファッションに敏感な独身のOL」や、「50代の乾燥肌に悩む主婦」などといった具体的なイメージを持つことができます。購入者のペルソナを作成し理解することで、顧客の購買プロセスやマーケティング方法の決定に役立ちます。

ターゲットとペルソナ、両方を使用することで、ブログや製品のメッセージはよりパーソナライズされ、特定の読者群や顧客に強く響くようになります。これは、ブログがより多くの読者を引きつけ、製品がそのエンゲージメントを高めることに繋がります。結論として、ブログ作成やマーケティング戦略の成功には、ターゲットとペルソナの理解と適切な利用が不可欠です。

効果的なブログ・オウンドメディア ペルソナ設定のステップバイステップガイド

ブログ及びオウンドメディア運営におけるペルソナ設定は、ターゲットとなる読者を理解し、そのニーズに合わせたコンテンツを提供するための重要なステップです。それは単に読者のデモグラフィック情報を把握するだけでなく、その背後にある心理的な要素や動機を理解することを意味します。このガイドでは、そのステップバイステップのプロセスを詳しく説明します。ブログ作成の最初の段階から、ペルソナ設定をうまく活用することで、読者とのエンゲージメントを高め、ブログの効果を最大限に引き出すことができます。これから各ステップを詳しく見ていきましょう。

ステップ1:ブログのメインターゲットキーワードの選択とその重要性

ブログの効果的なペルソナ設定、最初のステップは、ターゲットとなるキーワードの選択です。ターゲットキーワードはブログの内容を反映し、SEO(検索エンジン最適化)において重要な役割を果たします。たとえば、あなたが「スマートウォッチ オススメ」についてブログを書く場合、そのキーワードはブログの中心となるトピックです。このステップでは、適切なキーワードリサーチツールを用いて、ユーザーの検索傾向やキーワードの競合度を調査し、適切なキーワードを選びましょう。

私は、キーワードリサーチツールは、ラッコキーワードをおすすめしています。UIが抜群に使いやすいのです。初心者にも向いています。

ステップ2:検索ユーザーのバックグラウンドや人となりに深く思いを巡らせる

次に、選択したキーワードを検索するユーザーがどのようなバックグラウンドや人となり、環境を持つのかを理解する必要があります。ユーザーの年齢、性別、職業、趣味、悩みなどを考え、それらがペルソナ設定にどのように影響するのかを検討します。たとえば、ある自己啓発ブログの場合、そのペルソナは「20代の就職活動中のコミュニケーション力不足を深刻に感じている男性大学生、ビジネス書読書が趣味の21歳」かもしれません。検索ユーザーの置かれた環境を詳細に把握すること大切です。

ペルソナは、理想的な顧客のプロフィールです。以下のような項目を設定し、そのペルソナに想いを寄せていくことで、さまざまなニーズに気付かされていきます。以下は設定項目の例になります。

  • 名前
  • 目標
  • 背景
  • 年齢
  • 性別
  • 行動
  • お金の使い方
  • 問題点
  • ニーズ

ペルソナを具体化したら、それをすべての設計上の決定の指針として使用できます。最終的には、ユーザーのニーズにかなり近づいた対応ができるため、が売れる製品やデザインを作成するのに役立つのです。

ステップ3:検索ユーザーの意図を見極める

次に、検索ユーザーの意図を理解します。ユーザーが「スマートウォッチ オススメ」を検索した理由は何か、それは具体的な情報を得るためか、あるいは広範な知識を得るためか、理解することが重要です。これにより、読者の求める情報を提供し、コンテンツの質を向上させることができます。これをSEO(検索エンジン最適化)の世界では「検索意図」と表現します。

検索意図とは、ウェブユーザーが特定のキーワードやフレーズを検索するときの目的や意図を指します。検索エンジンはユーザーが求めている情報を正確に提供することを目指しているため、検索意図を理解することはペルソナの設定のみならず、SEOの重要な要素となります。

検索意図は大きく分けて以下の4つにカテゴライズされます:

  1. 情報検索(Informational): ユーザーが何か特定の情報を得たいときに行う検索。例:”東京の天気”、”チョコレートケーキのレシピ”など。
  2. ナビゲーショナル検索(Navigational): ユーザーが特定のウェブサイトやページに行くための検索。例:”Facebookログイン”、”Amazon公式サイト”など。
  3. トランザクショナル検索(Transactional): ユーザーが何かを購入したい、または何かのアクションを行いたいときに行う検索。例:”iPhone最安値”、”ピザデリバリーオーダー”など。
  4. コマーシャル調査(Commercial Investigation): ユーザーが何かを購入する前に商品やサービスのレビューや評価を調査するための検索。例:”最新iPhoneレビュー”、”ホテル比較”など。

これらの検索意図を理解することで、より適切なペルソナの設定が可能になるほか、後にブログコンテンツを作成する際にも、SEO効果を高めることができます。

ステップ4:ペルソナの詳細を設定し、具体化する

このステップでは、初めの三つのステップで集めた情報を基に、具体的なペルソナを作成します。ペルソナは、あなたが達成しようとしているターゲットの読者を具現化したものであり、その読者の行動、動機、目標を明確に捉えることを意図しています。

まず、重要な情報を収集します。これは、ユーザーの年齢、性別、職業、趣味、そしてその他の重要な特徴に及びます。また、これらの情報を補足するために、ユーザーの行動パターン、目標、挑戦、価値観などを詳細に設定します。これらの情報は、具体的な記事を作成する際の方向性を決めるために不可欠です。

次に、これらの情報を一つの人物像にまとめ上げます。具体的な名前、写真、職業、趣味、家族構成などを設定し、そのペルソナが現実の人物であるかのように感じられるようにします。このペルソナを前にして、あなたが書くべき内容、そのペルソナに最も響くメッセージは何か、そのペルソナがどのような課題に直面していて、それを解決するためには何が必要かを考えます。

イメージしやすいように例を置いておきます。

1. 基本情報:
   ・ 名前(架空のものでも良い)
   ・ 年齢
   ・ 性別
   ・ 職業
   ・ 居住地(地域や都市名)

2. 背景:
   ・ 教育背景
   ・ 家族構成
   ・ 趣味や関心事

3. 目標と価値観:
   ・ 個人的な目標
   ・ 職業的な目標
   ・ 重視する価値観
   ・ 求める情報やサービス

4. 挑戦と問題:
   ・ 日常生活の中で直面する挑戦
   ・ 仕事や趣味で直面する挑戦
   ・ これらの挑戦に対する解決策を求めているか?

5. 情報収集:
   ・ 情報収集の主な方法は何か?(例:ウェブサイト、SNS、ブログ、新聞、テレビなど)
   ・ 信頼する情報源は何か?

6. 購買行動:
   ・ 製品やサービスを選ぶ際の主な要因は何か?
   ・ どのような状況下で購買意欲が高まるか?

※作業を進めやすくする為に、ブログペルソナ設定シートを用意しました。次の見出し直下に置いておきますので、ご活用ください。

これまでのステップで得られた情報を元にペルソナを具体化することは、効果的なコンテンツ作成の基礎となります。なぜなら、読者が具体的に誰であるかを理解することで、それぞれの読者がどのようにあなたのブログに関与し、どのような情報を求めているのかをより明確に理解することができるからです。

作成したペルソナは恒久的なものではなく、定期的に見直しを行い、新しい情報に基づいて更新を行うことが重要です。読者のニーズや行動は時間と共に変化しますので、それに対応するためにも、ペルソナも進化させていく必要があります。

ブログペルソナ設定シート(テンプレート)

比較的汎用に使えるペルソナ設定シート(テンプレート)を用意しました。各項目について具体的に記入することで、ペルソナの具体的な像が明確になり、それに基づいたコンテンツ作成が可能となります。以下よりダウンロードしてご利用ください

ペルソナ設定の解像度を高める:超詳細なペルソナ設定が成功への鍵

ブログのペルソナ設定は、単に一般的なユーザープロフィールを作るだけではなく、より具体的な特性を捉えるために超詳細に設定することが推奨されます。なぜなら、自身の頭の中でペルソナのイメージをより鮮明に描くことが、効果的な記事作成の出発点となるからです。

例えば、あなたのペルソナが「サステナブルライフを志向する20代女性」だとしたら、そのペルソナがどんな食事を好むのか、どのようなファッションを選ぶのか、どんなライフスタイルに憧れているのかといった具体的な事柄まで想像することが重要です。そうすることで、記事がそのペルソナのライフスタイルや価値観にぴったり合ったものになり、より深く共感を呼び起こすことが可能となります。

この作業が面倒に感じるかもしれませんが、ペルソナ設定の「解像度」を高めることによって、間違いなくコンテンツ制作への効果は高まります。実際、詳細なペルソナ設定を行うことで、弊社の顧客は結果を出しています。このように、ペルソナの解像度を高め、それに基づいて記事を作成することは、読者との強いつながりを築く上で極めて重要なステップなのです。

ブログペルソナ設定後の具体的なアクションプラン

ブログペルソナ設定が完成したら、次はその情報を用いて効果的なコンテンツ戦略を立てることが重要です。具体的な記事の作成から、そのパフォーマンスの追跡、さらには記事の改善まで、以下のステップをたどりましょう。

具体的な記事作成:ペルソナを考慮したコンテンツ戦略

ペルソナ設定を完成させたら、そのペルソナに基づいた記事を作成します。ビジネスブログの基本は、何よりも読者の悩みの解決にあることを理解することが重要です。読者が情報を求める理由は大抵、何かの問題や疑問、または欲求に基づいています。このため、ブログ記事のテーマはペルソナの興味・悩み・欲望に直結するよう選ぶことが最善のアプローチとなります。

例えば、ペルソナが「ブログを始めたばかりの20代前半の大学生」であれば、「ブログ初心者が犯しやすい失敗とその対策」や「一人でも多くの人にブログを読んでもらうためのSEO」などの記事がペルソナの悩みや欲求に直結するでしょう。このように、読者の心情や課題を理解し、それに基づいた内容を提供することで、あなたのブログは大きな価値を提供するメディアとなり、読者からの信頼を得ることができます。

SEO : キーワード順位計測

記事作成後の重要なステップの一つが、SEOの観点からキーワードの順位を計測することです。これは、あなたのブログが検索エンジン(特にGoogle)の検索結果でどの位置に表示されているかを知るためのものです。この位置は「検索順位」と呼ばれ、あなたの記事がターゲットとする読者にどれだけ見つけられやすいかを示しています。

これはSEOツール(例:Google Search Consoleなど)を用いて行います。例えば、Google Search Consoleでは、特定のキーワードについて、あなたのページがGoogle検索結果の何位に表示されているか、そしてそのキーワードがどれくらいの頻度で検索されているかなどの情報を手に入れることができます。

なぜ検索順位が重要なのでしょうか。それは、Googleの検索結果で上位に表示されると、多くのユーザーがあなたのブログにアクセスする可能性が高まるからです。特に、Googleの検索結果の最初のページ(上位10位以内)に表示されていれば、そのページがクリックされる確率は非常に高くなります。

Mozの調査によると、Google の最初のページは検索トラフィックのクリックの71%を占めており、近年では92%に達すると報告されています。2ページ目の結果は、Web サイトの全クリック数の6%未満であり、その差は大変大きなものです。

リライトと改善:アクセスアップへの一歩

記事を公開した後もブログの管理は終わりではありません。記事の成果を見て、必要に応じて内容をリライトまたは改善することが必要です。これはブログの品質を向上させ、SEO施策を強化し、最終的にはアクセスアップを実現するための重要なステップとなります。

具体的には、Google AnalyticsGoogle Search Consoleのようなツールを用いて、訪問者数、ページ滞在時間、直帰率(一度の訪問で1ページしか見ずにサイトを離れる割合)など、記事のパフォーマンスを定期的にチェックします2。これらの指標が期待以下である場合、それは記事の内容やSEO施策に何らかの問題がある可能性を示しています。そのような場合、記事の内容を見直し、SEO施策を強化する、または読者が興味を持ちやすい内容にリライトするなどして改善します。

まったくどうでもいい話なのですが、僕は「SEO対策」という言葉がどうにもしっくりこないので、単純に「SEO」、もしくは「SEO施策」というような言葉で表現しています。だって、”検索エンジン最適化対策”ってなんだか日本語として変じゃないですか?
「最適化」に対する対策に聞こえてしまうのですよね。。

ペルソナの設定に慣れてきたら: 自社アンケートや、広告を使った調査も行う

ペルソナ設定の精度をさらに高めるには、自身の手で直接情報を得る力が必要です。そのためにも、自社でアンケートを実施したり、広告を用いた調査を行ったりすることが求められます。これにより、より詳細なユーザーデータを収集し、ペルソナの精度を高めることが可能となります。

自社アンケート:直接顧客の声を取り入れる

自社でアンケートを実施することで、読者や顧客から直接的なフィードバックを得ることができます。これにより、キーワード検索だけでは得られない情報を収集できます。たとえば、どのような内容の記事が求められているのか、具体的な悩みや問題点は何か、などの情報を得ることが可能です。

ブログ(Webサイト)に直接アンケートフォームを置くのも良いですし、メルマガやLINEを活用しているのならば、そこへアンケートフォームを送付するのも良いでしょう。店舗を展開しているのであれば、アンケート用紙を顧客に渡しても良いですし、セミナーやイベントなどでも配布すると良いでしょう。

ペルソナは一度設定したら終わりではありません。繰り返し改善していけるように、常に生の顧客の情報が得られるようにしておきましょう。

顧客から直接アンケートを収集する

広告を用いた調査:広範囲なデータを取得する

広告を用いた調査では、読者の反応を広範囲に渡って探ることができます。Facebook広告/Instagram広告などを用いて広告を配信し、どのようなユーザーがクリックしたか、どのような行動をとったかなどの情報を収集します。この情報をもとに、ペルソナの年齢層、興味の方向性、行動傾向などをさらに詳しく理解することができます。

これらのアプローチを組み合わせることで、よりリアルで詳細なペルソナを設定することが可能になります。具体的なユーザー像を把握することで、彼らの欲求や悩みにより的確に応えたコンテンツを作成することができ、結果としてブログの価値を高め、アクセス数を増やすことが可能になるでしょう。

Facebook広告、Instagram広告の利用:手軽に始められるリサーチツール

Facebook広告、Instagramの広告は、手軽に始められる大変便利な調査ツールとなります。僅か100円から広告の配信を始めることが可能です。これにより、大企業だけでなく、個人ブロガーや小規模なビジネスオーナーでも気軽に利用でき、自身のサービスやブログのペルソナに対する理解を深めることができます。

また、FacebookやInstagramの広告は、ユーザーの興味や趣味、デモグラフィックデータなど、非常に詳細なユーザーデータを取得することが可能です。これにより、自社のブランドやサービスに関心を持つ可能性のあるユーザーを特定し、その人々がどのようなコンテンツに反応するかを探求することが可能となります。

この手軽さと詳細なデータ取得が可能なため、FacebookやInstagramの広告は、ブログや商品、サービスのペルソナを理解し、最適化するための強力なツールとなり得ます。あなたもぜひ、この手軽なリサーチツールを活用して、より効果的なブログ作成やビジネス展開に役立ててみてください。

facebook広告

Facebook広告はUIも非常に使いやすく、初心者でも広告出稿に悩むことは少ないだろう

ペルソナとアンチペルソナ

一般的に、ペルソナはマーケティング活動のための理想的な顧客像を表す架空の人物です。それに対して、アンチペルソナはその逆を表します。つまり、あなたの商品やサービスを購入する可能性が低い、またはまったくない人々のことを指します。

アンチペルソナとは何か?

あなたがある特定の製品やサービスを提供しているとしましょう。その製品やサービスが全ての人に適しているとは限りません。ある人々には価値が見いだせず、彼らは結局あなたの製品やサービスを購入しません。これがアンチペルソナです。

例えば、あなたが提供しているサービスが電車の時刻を提供するもので、その対価として切符を購入してもらうことを期待しているとします。しかし、ある人々は時刻を調べるだけで切符を購入しないかもしれません。時刻表マニアは確かに存在します。また、あなたが高級車の情報を提供していても、興味はあるけれど購入できない人々もいます。カタログを大量に集め、薀蓄は持っているけど、クルマそのものは買わない。これらの人々はあなたのアンチペルソナとなります。

もう少し例を出しましょう。あなたが提供しているサービスがオンラインでのフィットネスクラスで、その対価として会員登録をしてもらうことを期待しているとします。しかし、ある人々は無料の体験クラスだけを受講し、会員登録をせずにフィットネスクラスを受講しないかもしれません。また、あなたが提供しているサービスが高額なオンラインコーチングで、その対価として購入をしてもらうことを期待しているとします。しかし、無料のコンテンツやウェビナーには参加するものの、高額なコーチングサービスを購入する余裕がない人々もいます。これらの人々はあなたのアンチペルソナとなります。私はこのような人たちをフリーライダーとも呼ぶこともあります。

ブログの場合、アンチペルソナが大量にアクセスをしても、ページビューは増えるかもしれませんが、サービスや商品が売れるわけではありません。このように、アンチペルソナを理解していないと、ビジネスは頓挫してしまう可能性があります。

アンチペルソナを理解することの重要性

ここで一つ明確にしたいのは、ペルソナのみならず、アンチペルソナを理解し、その特性を明確にすることが、マーケティング戦略の透明性と効果を高めるために重要だということです。

アンチペルソナを理解することで、顧客向けにコンテンツを作成し、カスタマーサービスを改善することができます。また、アンチペルソナへの対応を効率的に行うために、FAQページや適切なチャネルを活用することが推奨されます。これにより、より価値のあるターゲット顧客に集中することができます。

結局のところ、アンチペルソナを把握することは、より誠実なマーケティングを実現し、価値のあるブランドアイデンティティを構築するための重要なステップです。無駄なリソースを浪費することなく、最適な顧客層に焦点を当ててマーケティング活動を行うためには、ペルソナだけでなくアンチペルソナの理解も欠かせません。

まとめ:ペルソナ設定のパワーを最大限に引き出す

ここまで見てきたように、ペルソナ設定はブログやビジネスの成功に不可欠な要素です。実際、スイスのWebサービス企業Smallpdf社は、自社ホームページ(オウンドメディア)でのアンケートを元にペルソナを設定し、その深堀りによる研究を通じて、サービスの成約率を驚くべき75%も向上させることができました。

しかし、ペルソナ設定は一度で完成するものではありません。むしろ、それは常に進化し続けるべきものです。ユーザーの興味や行動は時間とともに変わるため、それに対応する形でペルソナを更新し続けることが求められます。また、ブログやビジネスが進化し成長する過程で新たなペルソナが明らかになるかもしれません。それらを見逃さずにキャッチするためにも、定期的にペルソナの見直しを行うことが重要です。

最後に、広告を使った調査やアンケートなど、様々な手法を駆使してペルソナ設定の精度を上げていきましょう。FacebookやInstagramの広告は、たったの100円から始められる手軽さと、詳細なユーザーデータの取得可能性を兼ね備えており、個人ブロガーや小規模ビジネスオーナーでも気軽に取り組むことができます。

正確なペルソナ設定を行うことで、読者の関心を的確に捉え、それに応じた有益なコンテンツを提供することができます。このようにペルソナ設定を真剣に行うことで、あなたのブログ・オウンドメディアやビジネスは、より多くの人々に対して魅力的なものとなり、その結果として成功につながることでしょう。

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落合正和
株式会社officeZERO−STYLE代表取締役
一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
マーケティング・コンサルタント&Webメディア評論家&ブロガー
ブログやSNSを中心としたWebメディア、生成AI活用が専門。ネット事件やサイバー事件、IT業界情勢、インバウンド観光、生成AIリスクなどの解説で、メディア出演多数。 ブログやSNSの活用法や集客術、SEO、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。 著書: 会社のSNS担当になったらはじめに読む本(すばる舎) ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書(つた書房) はじめてのFacebook入門[決定版](秀和システム)