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ソーシャルメディア運用担当者の適性とは?
落合です。
企業のオウンドメディア運用、ソーシャルメディア運用の現場にいると、いつも感じることがあります。
それは『運用担当者の選任が適切じゃないなぁ…』ということ。
相手はお客様なので、なかなか言い辛い部分ではありますが、コレを感じることは多々あります。
実はオウンドメディア運用も、ソーシャルメディア運用も、この部分が特に肝心で、ここを誤るとスタートから躓くことになってしまいます。
実際に担当者を適性な人物に替えたことで、コンバージョンが大きく変わったり、投稿への反応率が大きく高まるなどのことが多々あるんですよね。
それだけ担当者選びは重要な要素です。
ここを乗り越えて、初めてコンテンツ制作云々の話になるんですね。
そこで今回は、ソーシャルメディア運用の担当者は誰に任せるべきか? その適性について、お伝えして参ります。
大事なのは「個」を出すこと。ソーシャルメディアのアカウントには、人の温もり、人とのコミュニケーションが重要
ソーシャルメディア運用で最も重要なのは「共感」を得ること!
というのは、いまさら説明は不要でしょう。「共感」は現代のマーケティングにおける必須事項です。
そういった中で、企業におけるソーシャルメディアの運用担当者を選任する前に、知っておきたいことが一つだけあります。
それは、
企業が企業として情報を発信しても「共感」は得られない!
と、いうこと。
ソーシャルメディアにおいて、企業名のアカウントを作り企業として発信し結果を出す…
これにはとてつもなく高いハードルが存在します。
ソーシャルメディアは、そもそも「人」と「人」をつなぐ双方向のコミュニケーションツール。マスメディアと違い、基本的には企業の宣伝のために存在するツールではありません。
「人」と「人」のつながりや、温もりが「共感」を生むのであり、そこに「人」の存在を感じ取れなければ、その存在は無視され続けることになります。
それがソーシャルメディアです。
これまでの広告のように企業が一方的に情報を発信しても、誰も受け取ってくれません。
マスメディアの広告手法をそのままソーシャルメディアに持ってきても、そもそも文化が違うので絶対に通用しないのです。
このソーシャルメディアを上手に活用した代表的な人物が、孫正義さんでしょう。
孫正義さんは、2009年からTwitterを開始し、主に2014年11月まで継続して運用を行いました。
Twitter上でユーザーの声を直接拾い上げた「やりましょう!」は大きな話題となり…
やりましょう。
RT @nakahama_y: 孫さん 留守番電話(1416)再生時の女性の自動ガイダンスの喋りが遅いので、早く喋ってもらうような設定を追加いただけませんか。ぜひ「やりましょう」リストに!— 孫正義 (@masason) 2012年8月30日
ユーモアあふれるツイートや、
髪の毛が後退しているのではない。
私が前進しているのである。
RT @kingfisher0423: 髪の毛の後退度がハゲしい。— 孫正義 (@masason) 2013年1月8日
感情表現豊かなツイートは、
やったーーーーーーーーーーー!
ファンの皆様有難うございました!
最後に劇的な優勝でしら!— 孫正義 (@masason) 2014年10月2日
たびたび大きなバズを起こしました。
SNS等を通じて、多くのユーザーの口コミが拡散し、特定の話題に注目が集まることを指す。
この間、ソフトバンクモバイル株式会社はグングンと業績を伸ばしており、ドコモ1強の時代は終わりました。
孫正義さんのTwitterや、Facebookなどにおける活動が、企業イメージを明るくし、話題を呼び、事業における知名度を上げたわけです。
孫正義さんのTwitter運用時期と、ソフトバンクモバイル株式会社の業績がうなぎのぼりとなっている時期はバッチリ一致していますよね。
当然その要因は多種多様にあるでしょうが、この業績UPに孫正義さんのソーシャルメディア運用も寄与しているのは、誰の目にも明らかでしょう。
これは、孫正義さんの人柄をソーシャルメディア上でユーザーが感じることができたからこその結果。
もしこのTwitterアカウントの名前が『孫正義』ではなく『ソフトバンクモバイル株式会社』であったら、ここまでの話題も業績への寄与も無かったでしょう。
企業に限らず行政などのソーシャルメディア運用も同様で、◯◯市役所よりも、行政の持つゆるキャラアカウントのほうが影響力が強いのは当然のことなのです。(そのゆるキャラアカウントの運用も残念なケースが多いですが…)
同時に、アカウントを「人」に設定したところで、ただただ淡々と感情のこもっていない投稿を繰り返したり、投稿そのものが機械的な「作業」になってしまったら、共感は得られません。※この例は行政に多い…
ソーシャルメディアはコミュニケーションであることを忘れないようにしましょう。
つまり、ソーシャルメディアのアカウントには、人の温もりが重要で、人とのコミュニケーションだけが、ユーザーの「共感」を得られる唯一の方法なんですね。
ソーシャルメディア運用の担当者はコミュニケーション能力とプロダクトへの愛で決めよ!
上記のポイントを抑えると、企業のソーシャルメディアにおける運用担当者の適性はご理解いただけるはずです。
私がよく見かける例だと『パソコン知識が深い』というだけで運用担当者に任命されている例。
これはダメです。
必要なのはパソコン知識ではなく、コミュニケーション能力です。
これはあくまでも私の経験から言っていることでしかありませんが『パソコン知識が深い』人って、コミュニケーションが苦手な人が多いように感じます。
そうなると、最も適性ではない担当者を任命してしまっている…ということになりますね。
この点は注意が必要です。
※そもそもソーシャルメディア運用にパソコン知識はいらない…
また別の事例ですが『自社の商品知識が深い』という理由で任命しているケース。
これも見るべき場所を間違えています。
人と人とのコミュニケーションが最も重要なソーシャルメディア運用において、求められるスキルは商品説明ではなく、商品に対する感情表現です。
商品知識ではなく、商品への愛が深い社員を担当者に任命しましょう。
まとめ
さらっとした記事にするつもりが、かなり長文になってしまいました。
まぁ…それだけ企業におけるソーシャルメディア運用担当者の選任には、間違いが多く、それをたくさん見てきた身として、つい力が入ってしまったということです。
再度まとめると、
・ソーシャルメディアは「人」と「人」をつなぐ双方向のコミュニケーションツール
・個を出して、共感を得ることが重要
・マスメディアの広告をソーシャルメディアに持ってきても成功は無い
・パソコン知識ではなく、コミュニケーション能力のある社員を任命する!
・商品知識ではなく、商品への愛が深い社員を任命する!
と、いうこと。
ぜひご参考ください。