日本人としての義務 〜美麗島紀行を読み「台湾とは何か。」を考える〜

いつも日本を気にかけ、窮地には助けてくれる「台湾」

平成28年熊本地震。被害に心が傷む。

私も少しばかりの寄付をさせていただいた。僅かでも誰かの役にたてば…と思う。

そんな中、やはりあの”国”は早々と、そして大きく動いてくれた。

・台湾外交部(外務省)は日本政府に約5400万円の義援金を送ると発表
・日本政府の求めがあればいつでも出動できるよう救援隊も待機
・柯文哲台北市長はFacebookにて支援の意向を表明
・台中市長、台南市長、高雄市長は給与の1カ月分を寄付
・台中市、台南市、高雄市、義援金を募る窓口を開設する意向を表明
・台湾 民進党は約336万円の寄付を決めた

いつも日本を気にかけ、窮地には助けてくれる「台湾」だ。

私はそんな台湾が大好きで、年に数回は赴いている。

台湾では今、日本統治時代を懐かしむ「懐日ブーム」が、日本統治時代を知らない20代、30代を中心に広がっている。

台湾には未だ、1895年〜1945年の50年にわたる日本統治時代に作られた多くの建築物、産業遺跡等が多数残っており、彼らはそれを大切に守り、保存して、「日式」を台湾に残そうと活発に取り組んでくれている。

懐日映画「湾生回家」は大ヒットし、興行収入1億円を超えた。

なぜそんなにも日本を思ってくれるのだろうか?

それはこの本を読めば、見えてくるだろう。

日本人はもっと台湾を知らなくてはならない

「美麗島紀行」

あなたにも読んでいただきたい一冊だが、この本はただの紀行本では無い。

「台湾とは何か?」

という問いに対し、辛くなるほどに生々しく伝えてくれる。

著者の乃南アサさんが、日本統治時代に生き「かつては日本人だった」台湾の方々に、当時の話を聞いて周り、その生の声から聞こえる、台湾と日本の歴史をしっかりと記録しているのだ。

歴史資料としても大変貴重なものなのではないかと思う。

1895年から1945年。

50年にわたる日本統治時代。

あまりにも長い時間、共に同じ日本人として生きた台湾の人々。

軍属に徴用された人もいるだろう。差別を受けた人もいるだろう。

それでも、

そこには、”同じ日本人”として深い友情があった。

玉音放送を聞いた時、当時の台湾の人々は内地人(日本から来た日本人)と抱き合って泣き、内地人が敗戦による引き揚げで去る時も共に泣き、別れを惜しみ、悲しんだ。

さまざまな歴史を乗り越え、彼らは今なお「日本」を残そうとしてくれている。

彼らは友情を忘れてはいない。

それにも関わらず、いまの日本人はあまりにも台湾に対して無知ではないか。

日本統治時代を生きた台湾の方々がまだ生きる、この”今”のうちに、日本人はもっともっと台湾を知らなくてはならない。

我々にはその責任がある。

『私も昔はあなたと同じ日本人だったのよ』

この本を読んで、私が初めて台湾に渡った時の出来事を思い出した。

台北の中山にある林森公園で、ひとりのお婆さんが日本語で話しかけてくれた。

『日本から来たんですか?私も昔はあなたと同じ日本人だったのよ。懐かしい思い出ですよ』

少し微笑みながら穏やかに話すその姿に、少し嬉しいような、申し訳ないような…

複雑な感情を持ったことを覚えている。

著者の乃南アサさんと同じ思いだ。

また台湾に行きたくなった。

日本人はもっともっと台湾を知らなくてはならない。

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林森公園に今も残る日本統治時代の鳥居。思わず駆け寄り写真を撮った。

 

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