INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜 第二回『終戦70年、玉音放送の真実 社会心理学者・明治学院大学教授 川上和久先生』

不定期連載「INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜」第二回

『INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜』第二回になりました!

この企画は、私、落合正和が「いま知りたいこと」を、その道の専門家や、有識者等にインタビューし、ここだけでしか聞くことのできない貴重な情報をお届けしてまいります。

第二回は、TBS夕方の情報番組「Nスタ」火曜日のコメンテーターでもお馴染みの、社会心理学者・明治学院大学教授 川上和久先生。

終戦から70年を迎える今年、CDブック「昭和天皇 玉音放送」を上梓された川上和久先生に「終戦70年、玉音放送の真実」というテーマでお話しを伺います。

終戦当時を知らない私にとって、この節目の年に、当時何が起きていたのか、戦争とは何だったのか?を知りたいという想いから、川上先生にインタビューさせていただきました。

これからの日本の平和のためにも、日本人として絶対に学んでおきたい内容となりました。

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川上和久先生プロフィール

社会心理学者・評論家 明治学院大学教授。
東京都生まれ。麻布中学校・高等学校、東京大学文学部社会心理学科卒業。東京大学大学院社会学研究科社会心理学専攻博士課程単位取得退学。
1986年東海大学文学部専任講師、1991年同助教授、1992年明治学院大学法学部助教授、97年同教授、2003 – 08年法学部長、2008 – 12年副学長。1997年『メディアの進化と権力』で大川出版賞受賞。専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論 。

川上和久教授に聞く「終戦70年、玉音放送の真実」

落合
それでは川上先生、よろしくお願い申し上げます。
川上教授
よろしくお願いします。
落合
「昭和天皇 玉音放送」読ませていただきました。あらためて当時の賢人たちの苦悩や、その勇気を感じることが出来、感動で涙がでました。
川上教授
ありがとうございます。落合さんのような硬骨漢に涙を流していただけるとは【涙】。
でも、私も昭和32年の戦後生まれですが、父親が海軍少尉でしたから、昭和20年8月15日の玉音放送→終戦がなければ、今の私は生まれていなかったかもしれない。同じような思いで、戦後70年、多くの方々に、当時の賢人たちの苦悩や勇気を感じ取っていただければうれしいです。
落合
帯にもありましたが、私はこれまで玉音放送の「耐え難きを耐え…」の部分しか知りませんでした。こんなにも陛下や当時の賢人たちの想いが、僅か5分という短い時間に刻まれているとは…現代語訳のおかげで私にもよく理解できました。
川上教授
実際、私の恩師やお世話になった方で、中学生くらいで玉音放送をナマで聴かれた方々にこの本をお送りしたのですが、その方々も、ラジオのチューニングも大変で、雑音もある中で、格調高い漢語はなかなか理解できなかったようですね。CDにはその後のアナウンサーの、終戦の詔勅渙発される、という放送も収録していますが、そこまで聴いて、終戦だと分かった方もおられたようです。あらためて、現代語訳で中身を味わっていただきたいですね。当時、中身が分かりにくくても、昭和天皇が直接国民に呼びかけられた、というだけで、国民がラジオの前に集まり、イベント効果は絶大だったと思います。
落合
それでは早速質問なのですが、1945年(昭和20年)8月15日正午の玉音放送、これは誰がどのような意図を持って、制作されたのでしょうか?
川上教授
8月始めに、内閣情報局次長の久富達夫が発案したといわれています。久富は東京日日新聞の政治部長も務めたジャーナリストですから、ラジオで昭和天皇が直接国民に呼びかけるイベント効果を熟知していたんでしょう。情報局総裁の下村宏がそれを昭和天皇にお話し、宮内省などとの調整も経て実現していきますが、下村自身も、朝日新聞の取締役や日本放送協会会長も務めた経験があります。
落合
昭和天皇が玉音放送に込めた言葉には、さまざまな想いがあったのだと思いますが、最も伝えたいメッセージとは、どのようなものだったのでしょうか?
川上教授
私は、本の中で、4つの意図をあげているのですが、全部話してしまうとネタバレなので【笑】、大事なことを一つ申し上げましょう。
それは、ここで戦争を終わらせることで、日本という国はなくなることなく続く、「国体を護持し得て」という文言が詔勅の中にありますが、それが一番のキモで、その大前提のもとで、残り3つのメッセージが込められているのではないか、国民は、本土決戦で日本という国自体がなくなるのではないかという不安感もあったと思いますが、「ああ、この国はなくならずに続くんだ」という安心感をそれによって与えたと思いますね。
落合
もし玉音放送を予定通り放送できず、録音盤が奪われていたら、どうなってしまったのでしょうか?
川上教授
ソ連が一方的に日ソ中立条約を破って宣戦布告していました。クーデターによって鈴木首相が暗殺され、阿南陸相が首相となって、本土決戦に突入していたかもしれません。そうなると、さらに原爆が落とされ、ソ連は北海道まで侵略し、我が国は未だに分断国家になっていた可能性すらあるのです。
亡国の危機を、すんでのところで救ったのが、8月15日の玉音放送だったといえます。
落合
それはとても恐ろしい…当時、玉音放送を決断し、日本を護った先人に本当に感謝したいと思います。
落合
最後に読者のみなさまにも一言をお願いいたします。
川上教授
当時、多くの賢人たちが、何とかして戦争を終わらせなければならない、との思いで、命がけで、国になり切って終戦のために知恵を絞りました。その思いがあってこそ、今日、私たちは生きている。私たちがその思いを引き継いで、この日本という国を守り育てていかなければならない、昭和20年8月15日の玉音放送は、その原点だと思います。ぜひ、玉音放送をナマでお聞きになった世代の方々だけでなく、若い世代の方々にも、「玉音放送があったから、自分はこの世に生を受けることができたんだ」という思いで、昭和20年8月15日を追体験していただきたいと思います。
落合
より詳しい詳細については、川上和久先生のCDブック「昭和天皇 玉音放送」に詳しく記載されています。御一読ください。このお話を伺った上で、玉音放送を聞くと本当に涙が出てきますよ。わたしたちの世代も追体験しておくべきものだと心から感じました。

まとめ

今回は社会心理学者・明治学院大学教授 川上和久先生にお話を伺いました。

知っているようで知らない終戦当時の話や、玉音放送について…本当に涙が出ました。日本人として絶対に学んでおきたいことですね。

もし玉音放送が無かったら…私たちはこの世に生を受けることすら無かったかもしれません。今の平和、わたしたちの命は先人の決死の努力の上でつくられたもの。

感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思います。

今回、貴重なお話を頂いた川上和久先生に心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

『INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜』では、今後もさまざまな分野の専門家、著名人などにお話を伺って参ります。

ご期待ください。

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落合正和
株式会社officeZERO−STYLE代表取締役
一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
マーケティング・コンサルタント&Webメディア評論家&ブロガー
ブログやSNSを中心としたWebメディア、生成AI活用が専門。ネット事件やサイバー事件、IT業界情勢、インバウンド観光、生成AIリスクなどの解説で、メディア出演多数。 ブログやSNSの活用法や集客術、SEO、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。 著書: 会社のSNS担当になったらはじめに読む本(すばる舎) ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書(つた書房) はじめてのFacebook入門[決定版](秀和システム)