INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜第4回『痛み・しびれの真実 “痛みの専門家” マナ接骨院院長竹田浩陽さん』 脳疲労と痛み・痺れの関係とは?

今回は『痛み・しびれの真実』をテーマに、痛みやしびれの原因診断に対し、新たな視点について伺っていきます

不定期連載「INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜」

久しぶりのインタビューコンテンツになります。

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インタビュー

シリーズ『INTERVIEW 〜いま知りたい!を聞く〜』は、私、落合正和が「いま知りたいこと」を、その道の専門家や、有識者等にインタビューし、ここだけでしか聞くことのできない貴重な情報をお届けしてまいります。

第4回は、“痛みの専門家” マナ接骨院院長竹田浩陽さん。

平成17年から10年以上に渡り『痛み治療専門家』として臨床に当たってきた竹田先生。

数多くの患者さんの「痛み」や「しびれ」という症状と向き合って来られました。

私も長く柔道や柔術、レスリングに総合格闘技…

と、ライフワークで武道や格闘技に取り組んできた為、いつまでたっても消えない慢性的な「痛み」「しびれ」をさまざまな箇所に抱えています。

「格闘技経験者なんて、みんなそんなもんだろう」

と、半ば諦めの境地に達していましたが、竹田先生によると

『なかなか治らない慢性的な「痛み」や「しびれ」には、脳による信号伝達の偏りが関係している』

とのこと。

私のように武道や格闘技を経験した方はもちろん、この高齢化社会、ご年配の方々など「痛み」や「しびれ」に苦しんでいる人は大変多いでしょう。

今回は、『痛み・しびれの真実』について、痛みの専門家竹田浩陽さんに伺ってみました。

大変興味深いインタビューとなっています。

『痛み・しびれの誤解を解きたい』〜わたしたちは痛みやしびれの原因について誤解している〜

落合
お久しぶりです。お会いするのは数ヶ月ぶりですね!昨年から一度しっかりとした場を用意してお話を伺いたいと思っておりました。
竹田先生
お久しぶりです。どんなことでも聞いていただければと思います。
落合
それでは早速ですが、竹田先生は長く「痛みの専門家」として多くの患者さんの施術にあたっていると聞きます。今回もSNS上での患者さんとのやりとりなどを興味深く拝見させていただき、興味を持ったのでオファーをさせていただきました。具体的にどのように活動されているのですか?
竹田先生
私自身は柔道整復師という仕事をしています。一般の人にわかりやすく説明するのであれば”接骨院の先生”ですね。埼玉県北葛飾郡松伏町にある、マナ接骨院の院長です。
落合
ご存知の通り、私も武道、格闘技の経験が長く、接骨院には本当に何度もお世話になっていて馴染み深いです。
竹田先生
昔から怪我多いですよね。
落合
体が硬い上に強引な技が多いので(笑)
落合
さて、その「痛みの専門家」として施術にあたっている竹田先生ですが、先生のお話では『わたしたちは痛みやしびれの原因について誤解している』とか?
竹田先生
はい、そうなんです。私は皆さんの持たれている『痛み・しびれの誤解』を解く活動もしています。まぁ以前は私もどこにでもいる普通の柔道整復師だったんですが、BFI研究会の代表でもある三上クリニカルラボ院長の三上敦士先生との出会いにより治療家人生が一変しました。
落合
『痛み・しびれの誤解』ですか、私も長年抱えている「痛み」がいくつかあります。そもそも痛み、しびれに対する誤解とはどういうことなのでしょうか?
竹田先生
長年、痛みやしびれの原因は骨や軟骨の変形によるものと考えられてきたのですが、海外では1990年代後半からEBM(根拠に基づく医療)という概念のもと様々な検証がされてきました。その結果、それまで当り前に考えられていた『形態異常が症状の原因である』という事が間違っていたというのがわかってきたのです。骨が潰れていても、軟骨がすり減っていても、それによって神経を圧迫していても何も症状がない人が大勢いる事がわかったのです。にわかには信じられないかもしれませんが、これは実際の患者さんの経過でも明らかなことなんですね。ついでに申し上げると、骨盤の歪みというのも痛みの原因にはなりません。産後といえども骨盤を矯正する必要はないんです。こういった情報に振り回されてしまい、症状が良くならないと「もう治らないんじゃないか」と無意識レベルにまで刷り込まれてしまうことこそが、痛みやしびれに対して誤解を生じている根源だと感じています。
落合
なるほど。と…いうことは、レントゲンやMRIなどで出た、変形、圧迫などと言われていることは、原因では無いということですか
竹田先生
そういう事です。レントゲンやMRI検査も視覚的に形がどうなってるかを確認はできても症状の原因を突き止める方法ではないんですね。じゃあ、何でそんな大事な情報が一般的に認知されてないのかというと、日本の医療システムの問題が大きいんじゃないかと感じています。この辺を大っぴらにすると巨大な権力が絡んでくるので詳細は控えます(笑)だからと言って、実際に患者さんが苦しんでいるのを目の当たりにすると、そんな事言ってられないので僕の患者さんには事実のみをお伝えしています。さらにはBFI研究会でも講演会などでそういった情報をお伝えすると同時に、高い志を持った仲間を募集しています。
落合
おお…カルチャーショックというか。。。ちょっと衝撃です。
松葉杖
写真はイメージです

レントゲンやMRIなどで診断された、変形・圧迫などは原因では無いことも… では痛みの治療法とは?

落合
私も竹田先生のお話を聞くまでは、変形・圧迫などが痛みやしびれの原因だと認識していたので、そこに対する治療ばかりを考えていました。「最悪手術だな…」とか。
竹田先生
先ほども述べたように、変形や圧迫が原因ではないのでそもそも手術で取り除く必要はないと考えています。なかには手術をして症状が良くなったという方もおられますが、その1番の理由は痛みやしびれ同様、脳が関係しているのです。患者さん自身が、原因だと思い込んでいた箇所を「手術で取り除いたんだから良くなる」と思っていれば改善することはあります。わかりやすい例でいうと、ただの粉でも効くんだと思って飲めば実際に効果が出るのと一緒なんです。 これをプラシーボ効果と言います。
落合
プラシーボ効果はよく聞きますね。
竹田先生
実際に海外では、膝の痛みに対して偽の手術(皮膚を切開しただけ)を行い症状が改善したという研究も存在します。反対に手術をしても全く変わらない方や逆に悪化する患者さんさえもいらっしゃいます。 本当に変形が原因なのであれば、手術の成績は100%に近くてもいいはずなんですよね。でも実際には手術の成績がいいとは思えません。ただし、極少数ではありますが本当に手術をした方がいい症例はありますので、そこは実際にお話を聞いた上での判断が必要になります。
落合
それでは、実際に痛みやしびれが症状として出ている時に、どのように治療すれば良いのでしょうか?
竹田先生
多くの方は何か症状があると、すぐに治療法という方法論で考えてしまうんですが、個人的にはそれよりも原因論をきちんと理解することの方が重要だと考えます。世の中には無数の治療法がありますよね?じゃあ、原因も無数にあるのかというとそんな訳はなくて、あらゆる治療法のほとんどが刺激の強弱はあるにせよ皮膚を介して行われているという事です。その皮膚からの情報は脳に届けられますが、その際ポジティブに感じれば症状は改善しますし、ネガティブに感じれば変化がないか悪化する事もあります。要は脳がどう感じるかが重要なんですね。痛みを感じるのも脳であれば、改善するのも脳によるものなんです。だからこそ、有名な大学病院やテレビに出てるからという理由だけで名人やゴッドハンドと呼ばれる人たちが量産されているんですね。肩書きを重要視するからこその現象です。
落合
そういったことは医療の世界だけでなく、さまざまなところで起きていますね。有名=正しい みたいな風潮というか…
竹田先生
そうですね。前置きが長くなりましたが、治療法の選択の前に原因をきちんと理解することです。ここが曖昧なままですと症状の経過にも影響してしまいますし、すぐに良くならないと別の所に通うといった負のサイクルになってしまいます。原因の部分さえ確実に理解してしまえば治療法の選択肢はかなり狭まってきます。当院にいらっしゃる患者さんの中には、他の院で痛みを取るために通ってるのにさらに痛いことをされたという方が少なくありません。その上で、どういった方法がいいかというと、なるべくやさしい刺激による方法がリスクなく改善していくと確信しています。なぜなら、強い刺激は脳が攻撃されてると認識してしまい、より筋肉の緊張を生んでしまいます。ほぐしているつもりが余計に硬い筋肉にしてしまっているおそれがあるんですね。その点、当院で行っているBFI療法はわずかに触れられている程度の刺激で、強い刺激に慣れている方には正直物足りないと思います。ですが、再三申し上げてるように痛みの原因が脳である以上、身体に対して不必要な刺激は避けるべきなんです。このあたりは脳科学の領域にもなり、脳と皮膚の関係といった難解なものなので割合しますが、あなたはギュッと強く掴まれるのとやさしく包み込まれるのとではどちらに安心感を感じますか?それがあなたの求める治療法かもしれません。
落合
なるほど。自分でできる方法もありますか?
竹田先生
自分でも何かした方がいいですか?という質問はよく受けますが、厳密には全ての方に当てはまる良い方法はないんです。強いて挙げるとすれば、五感を刺激するのが大事かと感じています。どういう事かというと、人によっては美しい景色を見ることだったり、好きな音楽を聴くことだったり、好きなアロマを嗅ぐことだったり、美味しい料理を食べることだったりします。視覚・聴覚・嗅覚・味覚に対するアプローチです。これらは脳疲労の解消に有利に働きます。触覚に対しては当院ではBFI、ご自宅ではスキンシップをおススメします。それ以外でも、水泳やジョギングが当てはまるかもしれません。逆に言えば、これをしなさいと言われたことを嫌々やったとしても効果は出ないと思っています。むしろそういった感情が脳疲労に繋がり症状を拗らせてしまう可能性だってあるんです。ですので、痛みやしびれの原因をきちんと理解することこそが最高のセルフケアであり、その上で五感を刺激してあげる方法がいいんじゃないかと思います。
落合
脳疲労か…
レントゲン
写真はイメージです。

脳疲労の要因はネガティブ要素に限らない

落合
そういえば私も昨年秋頃に、突如右腕が上がらなくなるという経験をしました。痛くて痛くて肩より上に腕が上がらなかった。あれも脳疲労が原因だったのでしょうか?
竹田先生
可能性はありますね。
落合
でも、大きなストレスなどは抱えていなかったんですが…
竹田先生
一般的にストレスというとネガティブなものというイメージがあるかもしれませんが、負荷がかかった方が逆に燃えてくるという経験はありませんか? 逆境に強いという人ほどこういうケースが見受けられますが、それだと逆境ばかりの人生になってしまうので、どこかで限界が来てしまいますよね。
落合
あぁ僕はそのタイプかもしれない。
竹田先生
逆に自分ではストレスだと感じていない場合でも、やりがいのある仕事・昇進・結婚・引っ越しなど嬉しい出来事でも脳はストレスと感じていることだってあるんです。どちらにしても脳疲労に繋がることは間違いありません。
落合
良性のストレスというか…
竹田先生
そもそもストレス=悪という考えはやめましょうね。好きなことや得意なことをやっていても思考は働いていますので。ひとつ言い忘れていた事があって、脳疲労を語る上で重要な事があります。疲労のマスキングといって、実際には疲れているのに、それを感じられない状態というのがありまして、この状態が続くと・・ある日突然倒れてしまうという恐ろしい事態になりかねません。そうならない為にも人間には自衛措置が備わっていて、痛みの分野で代表的なものにぎっくり腰や40肩・50肩なんてのがあります。たいした動作もしてないのに突然激痛が出るという摩訶不思議な現象なんですが、痛みのメカニズムを知ると、なんとも理に適った素晴らしいシステムなんだと理解できるようになります。
落合
うお〜!私たち一般人は本当に知らないことだらけですね。医療の進化スピードは凄い。
竹田先生
長々と難しい話をしてきましたが、本来、痛みやしびれといった症状はきちんと改善するものなんです。それを邪魔しているものこそが今までの間違った思い込みなんじゃないかと常々感じています。当院ではその間違った思い込みを払拭する為のお手伝いを全力で行っています。その為には過去に受けてきた情報に今日のお話を上書きで保存するのではなくて、1つ1つ消していくという事を意識するイメージです。
脳疲労
写真はイメージです

竹田先生へのご相談はマナ接骨院へ

落合
竹田先生、今回は貴重なインタビュー回答、ありがとうございました。
竹田先生
ありがとうございます。
落合
最後にひとつ。このインタビューの読者の中には竹田先生に直接話を伺いたいという方も多いと思うのですが、その場合はどうすれば良いですか?
竹田先生
そうですね。遠方の方も多いでしょうから、まずはお気軽にメールでご相談いただければと。
落合
ホームページのお問い合わせで良いでしょうか?
竹田先生
はい。痛みとの向きあい方などお話しできることがあるはずです。

お問い合わせ

落合
直接治療をお願いしたい場合は?
竹田先生
マナ接骨院までお越しくださればより具体的なお話もできますし、実際の施術によって身体の変化を感じていただけると思います。 より確実なのは日曜日の予約での施術で、症状の改善には初めこそが重要だと考え、時間を取って説明と施術を行っています。 初診の場合は特におススメします。
   

【マナ接骨院】

https://mana-bsd.com/reservations-treatment/

 

※駐車場めっちゃ広くて停めやすいです。クルマでも安心。

埼玉県北葛飾郡松伏町松伏2241

診療時間:9:00~12:30 15:00~19:30 
土曜日 :9:00~12:30 15:00~17:00
日曜日 :予約診療のみ
休診日 :水曜日・祝日

 

まとめ

『レントゲンやMRIなどで診断された、変形・圧迫などは原因では無いことも…』この言葉がとても印象に残りました。

確かに、痛み・しびれに対する誤解は多そうです。

やはり、私たち一般人には届いていない情報がたくさんありそうですね。

あなたのご感想はいかがでしょうか?

オーストラリアでは腰痛に関する正しい情報を国を挙げて周知させたところ、患者数および医療費の削減に成功したそうですが、まだまだ日本での認知度は低いとのこと。

そうは言っても、痛みに苦しむ高齢者の方々などは、とりわけ多い国…

今後さらなる認知拡大に期待したいですね。

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落合正和
株式会社officeZERO−STYLE代表取締役
一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団 副理事長兼専務理事
マーケティング・コンサルタント&Webメディア評論家&ブロガー
ブログやSNSを中心としたWebメディアが専門。ネット事件やサイバー事件、IT業界情勢、インバウンド観光などの解説で、メディア出演多数。 ブログやSNSの活用法や集客術、SEO、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。 著書: 会社のSNS担当になったらはじめに読む本(すばる舎) ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書(つた書房) はじめてのFacebook入門[決定版](秀和システム)