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2024年の生成AIとマーケティングの融合 生成AIとの協働
2024年、生成AIはますます私たちの生活に深く浸透し、その“異常なまでの速度による進化”が注目されています。生成AIは、自動的に文章や画像を生成する能力があり、今まさにその可能性がマーケティング領域においても引き出されつつあります。生成AIとマーケティングの融合により、個々の消費者のニーズに合わせ、パーソナライズ化されたメッセージを大量に、かつ効率的に生成することが可能になりました。
・生成AIは24時間365日働くことが可能です。
・生成AIは何度でもやり直しが可能です。
・生成AIはどれだけ仕事を与えても嫌がることはありません
・生成AIは辞めません
・生成AIはなに一つ文句を言わず働きます(多くの場合は…)
・生成AIはパワハラで訴えてきません(現段階では…)
こんなツール、使わないほうが勿体無い!
勿体無いどころか時代に取り残されます。
この時代、私たちは生成AIを存分に活用し、消費者とのエンゲージメントを強化し、一段とパーソナライズ化された体験を提供し、競争優位性を獲得していかなくてはなりません。今回は、その具体的な活用法について解説します。
界隈ではかなり話題をもたらしたOPEN AIの動画生成AIモデル「Sora」こんな動画が僅かなテキストの入力だけで作成できてしまう。未来が恐ろしくもあります。
生成AI運用の基礎としてのプロンプトエンジニアリング
生成AIを活用するためには、まず「プロンプトエンジニアリング」の理解が必須です。これは、AIに対する指示を適切に伝える技術のことで、AIに望ましい結果を出力するために必要な技術です。プロンプトエンジニアリングは、生成AIが提供する可能性を最大限に引き出すための鍵となります。
AIに対するプロンプトが明確でない場合、ハルシネーションを起こすなど、AIは不適切な出力を生成する可能性があります。そのため、プロンプトの設計では、目的とするタスクや質問の意図を正確にAIに伝えることが求められます。
プロンプトエンジニアリングにはいくつかの基本的な原則があります。
1、曖昧さを捨て、明確かつ具体的な指示を与えることが重要です。
2、文脈を提供することで、AIがタスクの背景や目的を理解しやすくなります。
3、反復的な試行錯誤を通じて、プロンプトの表現を洗練させることも有効です。
4、生成AIモデルそれぞれの能力と限界を理解することで、より適切なプロンプトを設計できます。
プロンプトエンジニアリングのスキルを磨くには、多くの実践と経験が必要です。実際にAIを使って様々なプロンプトを試し、その結果を分析することで、より効果的なプロンプトの作成方法を学ぶことができます。このプロセスを通じて、AIのポテンシャルを最大限に活かし、より創造的で革新的な成果を生み出すことが可能になります。プロンプトエンジニアリングは、AI技術を活用する上で不可欠なスキルであり、この分野での専門知識を深めることが、今後のテクノロジーの進化においてますます重要になってくるでしょう。
SNSなどを見ていると、「生成AIは嘘ばっかり言う!」とか、「信用性に欠けるから使い物にならん!」などと言う意見をよく見かけます。たいして有名でもない人が自分の名前を入力し、出力された経歴をみて「間違っている!生成AIは使えない!」と、いうような事を言う人まで…
正直、「あなたのプロンプトに問題があるのでは?」と思ってしまうこともしばしば。また、検索エンジンの替わりのように間違った使い方をしている人も少なくないです。
そもそも、ほとんどの人が生成AIに提供している情報が薄すぎます。
具体的なプロンプトエンジニアリングの例を見てみましょう。ここでは、生成AIがハルシネーションを起こしやすいと言われている人名を使って事例を紹介します。自分の名前を使うのは少しこそばゆいものですが、他人の名前を使うと失礼ですし、我慢してやってみます。
雑なプロンプトの場合
AIへの指示(プロンプト)
「落合正和」という名前に関連する情報を検索したところ、特定の人物に関する明確な情報を得ることができませんでした。検索結果には似たような名前を持つ複数の人物が出てきましたが、それぞれ異なる職業や分野に関連しているようです。もしもっと具体的な情報や、「落合正和」が活動している分野(例えば、エンターテイメント業界、スポーツなど)について教えていただけると、より正確な情報を提供することが可能です。
情報量十分なプロンプトの場合
株式会社office ZERO-STYLEの代表取締役であり、Webメディア評論家の落合正和氏について、詳細な情報を教えてください
目的:講演時に配布予定のフライヤーに記載するプロフィールを作成するため
条件:千葉県柏市出身の落合正和氏についての調査です
必要情報:肩書きや業績、出版物についてなど
落合正和氏は、千葉県柏市出身のWebメディア評論家であり、株式会社office ZERO-STYLEの代表取締役社長です。彼は、ネットメディア、WEBマーケティング、観光コンサルタント、ブロガーとしても活動しています。特にSNSやWebメディア、ブログの制作・運用に関する専門知識を持ち、これらの分野に関する著書も出版しています。また、テレビ、ラジオ、新聞など様々なメディアでSEO、観光、地方創生などのテーマについて発信しています。
落合氏は、デジタルスマートシティ推進財団の副理事長兼専務理事、日本中学生野球連盟の評議員兼情報メディア室長、観光庁広域周遊観光促進専門家派遣事業ICT DX分野の登録専門家、日本観光推進総合研究所の所長、一般社団法人生成AI普及協会の協議員としても活躍しています。柔道参段の実力も持ち合わせています。
メディア出演においては、NHK『首都圏ネットワーク』、フジテレビ『新報道2001』、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』など、多数のテレビ番組に出演しており、The Japan Timesや産経新聞、日本経済新聞などの新聞やWebメディアにも登場しています。
また、文春オンラインやマイナビウーマン、ソリマチ株式会社「みんなの経営応援通信」などに寄稿しており、SNSマーケティング、Google Analytics 4、YouTubeビジネス活用術、生成AIのビジネスシーンにおける実用的な用途とリスク管理など、多岐にわたるテーマでの記事を提供しています。彼の著書には、「初めてのFacebook入門[決定版]」(2011年出版)や「ビジネスを加速させる 専門家ブログ制作・運用の教科書」(2019年出版)があります。
このプロフィールは、講演時に配布予定のフライヤーに記載するための情報として役立つでしょう。落合正和氏は、デジタルメディアの分野で豊富な経験と知識を持つ専門家であり、その業績は多方面にわたります。
どうでしょうか?プロンプトの情報量を増やすだけでも、出力される質も量も全く違いますね。ちなみに「情報十分なプロンプト」による出力は、これだけの文量ながらハルシネーションを起こしていません。このように、指示の仕方一つでAIの出力が大きく変わるのがプロンプトというものです。生成AIをマーケティングに活用する際にも、これを理解し適切に運用することで最大の効果を引き出すことが可能となります。
生成AIで差をつける!コンテンツマーケティングのための6つの活用方法
(1)コンテンツの生成(落合のおすすめツールはXaris、GPT-4、Claude3)
デジタルマーケティング、コンテンツマーケティングの世界では、魅力的で独自性のあるコンテンツの生成が成功の鍵を握っています。生成AIを活用することで、ブログ投稿、ソーシャルメディアの投稿、さらにはメールマーケティングのコンテンツなど、多様なマテリアルを効率的に、かつ創造的に作り出すことが可能になります。
生成AIを使用する最大の利点の一つは、そのスピードと効率性です。従来、人手を介して作成されたコンテンツは時間とリソースを大量に消費していましたが、AIによる自動化はこれらのプロセスを大幅に短縮し、コンテンツの生産性を飛躍的に向上させます。
また、生成AIは人間が忘れてしまいがちな視点や、思わぬ視点を提供してくれることも少なくありません。私も生成AIを活用してコンテンツを制作しているとハッとさせられる事がよくあります。生成AI活用が、新鮮でユニークな視点を提供することができ、読み手に新たな価値を提供するコンテンツを生み出すこともできるようになるのです。
このように、生成AIを活用したコンテンツ生成は、今後のデジタルマーケティング、コンテンツマーケティングの世界ではマストな存在になるでしょう。生成AI活用は避けては通れません。
しかしながら、生成AIによるコンテンツ作成には監視と微調整が必要です。AIが生成したコンテンツは、平坦でつまらないものになりがちです。人間の手を入れないことには、本当に読みづらいものになってしまいます。高品質なコンテンツを生み出すためには、生成AIと人間が協力し合い、ターゲットオーディエンスに響くコンテンツへと磨き上げることが重要です。
私がいまテキストコンテンツを作成するのに最も便利だと感じているのがXarisです。このXarisとChatGPT(GPT-4)、Claude3を3種併用してコンテンツ生成を楽しんでいます。
Xarisはブログ記事のライティングにおいて、面倒臭い作業を全部代行してくれるようなツールです。一般的なAiライティングツールと異なり、ひとつのエディタの中で、AIに書かせる、人間が書く、双方の作業が可能で、直感的にサクサクコンテンツを量産できます。音声でも指示が出せるので、生産性爆上がりです。私がこれまで使用したAIライティングツールでNo.1の便利さです。※アフィリエイト等になっていませんのでご安心を。本当に素晴らしいAIツールだと感じたので紹介しているだけです。
(2)データを活用した洞察の抽出
現代のマーケティングでは、データは新たな石油とも言えるほどの価値を持っています。データを活用した洞察(深く観察して見抜くこと)の抽出は、マーケティング戦略を次のレベルへと引き上げる鍵です。生成AIの力を借りて、市場調査報告、顧客データ、そしてソーシャルメディアのフィードバックなど、膨大なデータの海から有益な情報を引き出し、競争優位性を確立することが可能になります。
このプロセスでは、まずデータの収集が始まります。最新の生成AIツールは、様々なソースからのデータを効率的に集め、整理することができます。その後、AIはこのデータを分析し、パターンやトレンド、顧客の行動傾向など、重要な洞察を抽出します。例えば、顧客が最も関心を持っている製品の特徴、購買決定の背後にある動機、または特定のキャンペーンが消費者にどのように受け入れられているかといった洞察です。
これらの洞察は、マーケティング戦略の策定において非常に価値があります。製品開発からキャンペーンの計画、ターゲット顧客のセグメント化に至るまで、データ駆動のアプローチはより精度の高い意思決定を可能にします。さらに、AIによるデータ分析はリアルタイムで行われるため、市場の変動に迅速に対応し、戦略を柔軟に調整することが可能です。
しかし、データを活用した洞察の抽出には、データの質と完全性が非常に重要です。不正確または偏ったデータに基づく分析は、誤った結論につながる可能性があります。そのため、データソースの選定と前処理には細心の注意を払い、分析結果を定期的に検証することが重要です。
最終的に、生成AIを活用したデータ分析は、マーケティングプロフェッショナルが複雑なデータを理解し、戦略的な洞察を得るための強力なツールです。このアプローチにより、企業は市場のニーズを先読みし、顧客に真の価値を提供する製品やサービスを開発することができます。
(3)データの分類
膨大な顧客や市場のデータを整理し、理解を深めることは、効果的なマーケティング戦略を立てる上で欠かせません。生成AIを活用することで、データの分類を自動化し、パーソナライズされたマーケティングキャンペーンの開発をサポートすることができます。
生成AIは、顧客のデモグラフィック情報、購買履歴、ウェブサイトでの行動パターンなど、様々なデータポイントを分析し、意味のあるセグメントに分類することができます。これにより、マーケターは各セグメントの特性を深く理解し、それぞれのグループに最適なメッセージやオファーを提供することが可能になります。
例えば、AIは顧客データを分析し、高頻度購入者、割引に敏感な顧客、特定の製品カテゴリに興味を持つ顧客などのセグメントを識別することができます。この情報を元に、マーケターはそれぞれのグループに合わせたパーソナライズされたキャンペーンを設計し、エンゲージメントと収益の向上を図ることができます。
さらに、生成AIを使ってデータを継続的に分類し、顧客セグメントの変化を追跡することで、マーケティング戦略をリアルタイムで調整することも可能です。これにより、常に変化する消費者の嗜好やニーズに対応し、関連性の高いコミュニケーションを維持することができるのです。
(4)情報の要約
情報過多の時代において、大量のデータから重要なポイントを素早く抽出することは、マーケターにとって大きな課題です。生成AIは、学術論文や市場調査のような膨大な情報を短時間で要約し、キーポイントを明確にすることができます。
例えば、AIは市場調査レポートを分析し、主要な調査結果、トレンド、インサイトを自動的に抽出することができます。これにより、マーケターは情報の本質をすばやく理解し、戦略的な意思決定を下すために必要な知識を得ることができます。
また、AIによる要約は、社内の情報共有や報告書の作成にも役立ちます。チームメンバー全員が長い文書を読む必要がなくなり、効率的なコミュニケーションと協力が可能になります。
(5)文章の書き換え(パーソナライズ化された文章の生成)
生成AIは、既存のコンテンツを異なるターゲットオーディエンスやプラットフォーム向けに調整し、メッセージを最適化することができます。これにより、コンバージョンを高めるためのパーソナライズされた文章を大量に生成することが可能になります。
例えば、AIは同じ製品説明を、若者向けにはカジュアルでトレンディな言葉遣いで、シニア層向けには丁寧でわかりやすい表現で書き換えることができます。また、ソーシャルメディア用に短くインパクトのある文章を生成したり、メールマーケティング用に詳細で説得力のある文章を作成したりすることも可能です。
こうしたパーソナライズされたコミュニケーションは、顧客との関係性を強化し、ブランドロイヤルティを高めるのに役立ちます。生成AIを活用することで、大規模なパーソナライゼーションを効率的に実現できるのです。
(6)翻訳
生成AIは、ウェブサイトのコンテンツ、製品説明、マーケティング資料などを複数の言語に素早く翻訳することができます。
生成AIを活用した翻訳により、世界中の情報にアクセスすることが可能になりました。私はコンテンツマーケティングや生成AIなどを専門としていますが、この分野は米国が圧倒的に世界をリードしています。そのため、米国からの情報収集はマストですが、機械翻訳よりも遥かに優れた(プロンプトが上手に書けることが前提となりますが)生成AIの翻訳には、本当に助けられています。
もちろん、発信においても、日本国内のみならず、海外の新しい市場に参入し、より多様な顧客層にリーチすることも可能になります。言語の壁を越えて、アイデアや知識を共有することができるようになるのです。
生成AIを活用した翻訳は、マーケティングのグローバル化を加速し、世界中の顧客とつながる機会を提供します。ただし、文化的なニュアンスや言葉の微妙な違いを考慮するようにプロンプトを工夫すること、必要に応じて人間の翻訳者によるレビューを行うことも重要です。
生成AIをマーケティングに活用するメリットとリスク
(1)生成AIをマーケティングに活用するメリット
生成AIをマーケティングに活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 効率性の向上:AIによるコンテンツ生成、データ分析、パーソナライゼーションにより、マーケティングタスクを自動化し、時間と労力を大幅に削減できます。
- 創造性の促進:AIは新鮮なアイデアや思わぬ視点を提供し、人間の創造性を刺激します。これにより、より革新的で魅力的なマーケティングキャンペーンを生み出すことができます。
- パーソナライゼーションの強化:AIを活用することで、個々の顧客のニーズや好みに合わせたコミュニケーションを大規模に実現できます。これにより、顧客エンゲージメントとロイヤルティの向上が期待できます。
- データ駆動の意思決定:AIによるデータ分析は、マーケティング戦略の策定に必要な洞察を提供します。データに基づく意思決定により、キャンペーンの効果を最大化し、投資対効果を改善することができます。
- グローバルリーチの拡大:AIを活用した多言語コンテンツの生成と翻訳により、世界中の顧客にリーチし、新しい市場機会を開拓することができます。
(2)生成AIをマーケティングに活用するリスク
一方で、生成AIのマーケティング活用にはいくつかのリスクと課題もあります。
- 品質管理の難しさ:AIが生成したコンテンツの品質は、使用するデータとアルゴリズムに大きく依存します。適切な監視と編集プロセスがないと、低品質や不適切なコンテンツが生成されるリスクがあります。
- プライバシーとセキュリティの懸念:AIシステムは大量の顧客データを処理するため、データプライバシーとセキュリティの問題に細心の注意を払う必要があります。データ漏洩や不正使用は深刻な結果を招く可能性があります。
- 倫理的な問題:AIによる意思決定やターゲティングには、偏見やステレオタイプが反映される可能性があります。公平性、透明性、説明責任を確保するための倫理的なガイドラインが不可欠です。
- 過度の自動化による弊害:AIに過度に依存すると、人間ならではの創造性や共感性が失われる恐れがあります。AIと人間のバランスを取り、両者の強みを活かすことが重要です。
- スキルギャップ:AIツールを効果的に活用するには、データサイエンス、機械学習、プロンプトエンジニアリングなどの専門スキルが必要です。企業はこれらのスキルを持つ人材の育成と確保に注力する必要があります。
まとめ 生成AIとマーケティングの未来
生成AIの登場は、マーケティングの在り方を大きく変えつつあります。上記で述べた通り、効率性、創造性、パーソナライゼーション、意思決定、市場の拡大など、AIがもたらす可能性は計り知れません。
これからのマーケターには、AIツールを効果的に活用し、人間の創造性と共感性を融合させる能力が求められます。プロンプトエンジニアリングのスキルを磨き、AIと”協働”(ここ大事。AI任せは通用しない)することで、より高度なマーケティング戦略を立案し、実行することができるでしょう。
生成AIとマーケティングの融合は、まだ始まったばかりです。今後、生成AIはますます能力を高め、マーケティングのあらゆる側面に浸透していくでしょう。この変化の波に乗り、生成AIの力を活用することで、競争優位性を確保し、顧客により高い価値を提供することができます。
マーケターにとって、生成AIは単なるツールではなく、不可欠なパートナーになりつつあります。AIとの協働を通じて、これまでにない革新的なマーケティング手法を開発し、ビジネスの成長を加速させることが可能になるのです。
つい長く書いてしまいました。しかしながら、マーケターにとって生成AI活用はもうマストです。避けられません。生成AIの力を借りて、マーケティングの未来を切り拓いていきましょう!
落合正和について教えてください