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【大炎上】中高生限定SNSアプリ「ゴルスタ(ゴールスタート)」とは?
昨日は「ゴルスタ」について教えて欲しいと、メディアからの依頼が多数ありました。
普段は特定のアプリに対し、こういった後ろ向きな話題で取り上げることはしないのですが、実に反響が大きいので記事にしようと思います。
まず、「ゴルスタ」とはどんなアプリなのか?
ということについてお伝えしましょう。
「ゴルスタ」とは、株式会社スプリックスという学習塾を経営する企業が運営する、SNSやライブストリーミング、動画による授業の閲覧などの機能を備えた、中高生限定のスマートフォン用アプリです。無料で利用できることから、一定の支持を得ていました。
先日もSNSの世代別住み分けについて書きましたが、
ティーンに大人気!国産お絵かきSNSアプリ『アイビスペイント』と、国内のネット文化醸成における老害問題
中高生しかいない空間ということも人気の要因であったことは間違いないでしょう。
そして、株式会社スプリックスは、もともとインターネットを使った教育コンテンツの開発が得意な会社で、このアプリもその一環として作られたのではないかと思います。
2014年10月 にリリースされた、この人気SNSアプリ「ゴルスタ(ゴールスタート)」ですが、リリースから2年後の2016年8月、大炎上を起こしてしまいます。
SNSアプリ「ゴルスタ(ゴールスタート)」はなぜ炎上したのか?
炎上の理由はさまざまありますが、きっかけとなったのは運営が公式に運用するTwitterでしょう。
「ゴルスタ」はそのユーザーに対し、とても厳しい姿勢で運営を行っていたようで、その様子は公式Twitter(現在はアカウント削除)を見れば明らかでした。
あぁ、さまざまなニュースサイトがもう取り上げ始めていますね。
【カルト的】中高生専用SNS「ゴルスタ」、完全に旧ソ連と大炎上https://t.co/GlcFy2MaHL
中高生以外が発見された場合は住所、電話番号、居場所など登録情報が全て警察当局に提供されることが明言されているという。 pic.twitter.com/dbLpvd9Hui
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2016年8月26日
ゴルスタでは、
・運営側を批判する投稿を行うとアカウントを停止
・批判ツイートだけでも「威力業務妨害」で警察に通報すると脅す
・アカウント復旧のためには反省文提出を求める
など、他のアプリやSNSでは考えられない行為がまかり通っていたようです。
また、中高生以外がアカウントを作れないように厳重に管理をしていたようですが、そのための警告文もこれです。
即時に警察に通報され、住所・電話番号・居場所が特定され…
↑大人が書いたとは思えない表現です。中高生以外が登録しただけでは、未成年への犯罪の疑いで逮捕には当たらないでしょう。
学習塾大手が運用する割には、かなり稚拙な表現に見えます。
ユーザーを恫喝して言うことをきかせる思想統制のような運営姿勢、公式アカウントとは思えぬTwitterでの過激な発言。また、利用規約で中高生限定アプリにも関わらず、クレジットカード情報を求めていたり(現在は削除)と、不可解な点も目立ちました。
もしかしたら担当者に任せて、会社側は運営をしっかり管理していなかったのかな?
そう疑問に感じてしまう運営状況です。
実際に「ゴルスタ」運営公式Twitterと、ユーザーの間では反省文を書かせるやりとりなどが見え、その姿がリツイート、シェアなどで外部の一般人にまで晒されることにより炎上。
・iOS・Androidともにアプリストアから消滅
・運営会社スプリックスのサイトはダウン
・「ゴルスタ」運営公式Twitterもアカウント消滅
というような状況。
また、「ゴルスタ」運営公式Twitterが、ゴルスタ批判した元ユーザーの氏名を晒した上で、「警察に通報します」と恫喝。
これが発端になり、運営会社「スプリックス」は謝罪に追い込まれました。
「担当者がヒートアップ」と言うことでしたが、サイトの構成なども踏まえ、高圧的な運営は元からでしょう。このあたりを詳しく聞こうと、取材のために電話をいれましたが繋がりませんでしたが…
本当に度が過ぎたものは別として、中高生の愚痴レベルの運営批判で通報だなんて、警察側も困ってしまいます。
Facebook大好きでFacebook愛に満ちた私ですら、「Facebook重い!」「スパムアカウント減らす努力しろよ」など、何度も言っています。当然、そのたびにアカウント削除、通報などということはありません。
大人なら「通報します!」と言われても、「勝手にしろよ!」と相手にされませんが、そこは未熟な中高生。相当怖い思いをしたのではないでしょうか。
そもそも運営批判くらいで通報→逮捕なら、阪神ファンはもう全員収監されてますよ。
SNSでみんなが繋がっているこの時代、共感されないものは淘汰されます。
中高生は言うまでもなくまだまだ未熟です。
そして、未成年である故に、世間的にもさまざまな規制のもと生活を送っています。
このように恫喝を絡めた横暴な運営姿勢というのは、逆に中高生を魅了し、忠誠を誓わすことも可能にします。(詳しくは洗脳について学ぶとよくわかります)こういったことは部活などでもよく見られる問題ではありますが…
私は今回の事態を非常に危険に感じました。
立場の弱い中高生相手に、良い気になってしまった運営側が調子に乗りすぎてしまったということでしょう。
時には暴走もする、中高生という未熟な存在をコントロールするのは非常に難しいです。運営の苦労はわかります。
しかしながら“力”でコントロールしようとすればこうなるのは必然です。
そして対象が明確に中高生である以上、「嫌なら見るな」理論は通用しません。彼らは責任をとることができない保護対象の未成年だからです。
インターネットが、スマートフォンが普及し、SNSでみんなが繋がっているこの時代、共感されないものは淘汰されます。バレないと思っていたものもバレます。強者の理不尽は通用しない時代になりました。
それは、
・高畑淳子さんにデリカシーの無い質問をして大炎上した某アナウンサー
・ソフトバンクが「アメリカ放題」キャンペーンについて混乱を招いた問題
などを見ても明らかでしょう。
そして、無料で提供しているのだから何しても良い…というのも、もう通用しない時代です。
フリーミアムのマーケティング手法が当たり前になった今、もはや無料で高品質、無料で高サービスが当たり前になりました。
企業と顧客、メーカーとユーザーは対等になりました。
このあたりを皮膚感覚で捉えられない人(主に団塊世代…)が炎上を誘発しているように感じます。
まとめ
SNSの普及やマーケティング手法の変換によって、非常にフラットな時代になったように感じます。
政治の権力者や、マスメディアが世論を誘導することも今や不可能な時代です。
こういった時代の変革を肌感覚で捉え、バランスを持って日々過ごすことがネットリテラシーの醸成…ではないでしょうか。
肌感覚、時と場合に応じ空気を読む必要性…
これが本当に重要なことなのだと思います。
マスマーケティングから抜けられない人って、このあたりが欠落しているんですよね。
毒づきたくなるので今回はこのあたりで。