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情報漏洩で謝罪!姫路市職員がTwitterに税務情報が写り込んだ写真を投稿した事件
また事件が…
先日、姫路市の職員がTwitterに税務情報が写り込んだ写真を投稿してしまった事件がありました。
以下共同通信より引用
兵庫県姫路市は16日、資産税課の女性職員(19)が自分の短文投稿サイト「ツイッター」上に投稿した画像に、市内企業の申告書の一部が写りこみ、税務情報が漏れたと発表した。市は内容を削除し、企業に謝罪した。
共同通信 http://www.kyodo.co.jp/
19歳の女性職員によるミスとのこと。
若年層のネットリテラシー教育。やっぱりこのままではダメです。
しっかりと教育を受けていない若者が社会に進出している以上、企業や組織は、自分たちで内部教育を行う必要があるのです。
※いつも言っている通り、これは若者が悪いのではなく、教育から逃げている大人の悪なのです。
今日はSNSトラブルを防ぐために、企業や組織が注意すべき点についてお伝えいたします。
姫路Twitter税務情報漏洩事件はなぜ起きたのか?その原因とは?
トラブルを未然に防ぐためには原因を突き止めなくてはなりません。
冒頭で説明した、姫路Twitter税務情報漏洩事件はなぜ起きたのでしょうか。
まず19歳女性職員の投稿内容を見てみましょう。
彼女の投稿テキストは、
「さすがにヨーグルト2本はダメでしたねー お腹がぐるぐるなってますわw」
というものです。
テキストそのものは、彼女の日常のふとした出来事を綴ったもので、なんの問題もありません。
問題は投稿に添付された写真。彼女が写真に写したかったのは、恐らくデスク上のヨーグルト。
しかしながら、彼女が写した自分のデスクの写真には、税務関連書類が写り込んでしまったのです。
つまり、悪意のある、意図した情報漏洩では無かった。
女性職員は自身のデスクの書類を撮影した画像から、情報漏洩する可能性を認識していなかった(甘かった)わけです。
彼女は過去にも自身の辞令や、残業申請などの書類を写した画像を投稿していたこともあり、情報漏洩に対する意識の薄さが見て取れます。
ここに原因があるのです。
『SNSへの投稿は全世界への情報発信』の認識がない
これはいつも講演で話している内容ですが、若年層は生まれた時から身近にコンピューターが存在する人生を生きています。(Windows95の発売からもう20年も経っている… 早いですね…)
生まれた時から存在する身近なものであるだけに、インターネットや、コンピューターへの恐れがありません。
年配の方などは、『パソコンなんて間違って触って壊しちゃいけない』『インターネットへの書き込みなんて気味が悪い』と、恐れの感情を持つので、何をするにも慎重です。
若年層にはそれが無い。
当たり前に身近に存在し、物心ついた時から触れているから学ぼうとしないし、学校でも教えてくれません。
例えるなら、教習所に通わずに車を運転しているような感じです。『運転はできるし、信号はわかるけど、標識のことはあんまりよくわかんない』そんな感じでSNSを使っています。
特に『SNSへの投稿は全世界への情報発信』という認識がない。
実際に高校生などに聞くと、”Twitterの投稿は、フォロー関係にない友達でも見ることができる”ことを知らない人が多数です。
ですから、私信の手紙、メールと同じ感覚で、気軽にSNSに投稿してしまうのです。
その結果、自分の望まない形で、手の届かないところまで拡散の連鎖が起こってしまいます。
『私は大丈夫!』そう思っているあなたこそ危険です!写真だけでも住所特定の可能性も…
注意すべき点は、テキストの内容や写真に写りこんでいるものだけではありません。
最近のGPS機能を持つスマートフォンで撮影された写真には、設定状況により、撮影場所を特定できてしまいます。
例えば、女性が自宅でお菓子づくりをしている写真を、何気なくアップしたことにより、ネットストーカーに住所を特定され、自宅に訪問されてしまう…
そんなケースも十分に考えられるのです。
そして、一度ネット上に流出、拡散してしまった情報を完全に削除するのは、99%不可能なのです。
※写真のExif (Exchangeable Image File Format)情報内にGPSによって取得された位置情報が記載されます。Exif情報とは、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真に付属されるデータのことです。
企業、組織における社内ネットリテラシー教育、SNSトラブル対策はどうあるべきか?
人間の日々の習慣がなかなか変えられないように、社内の朝礼、終礼で『注意するように!』と釘を刺したところで、まず効果は無いでしょう。そんなものは対策とは言えません。
これは、しっかりとまとまった時間をとって、定期的に講習会などを行うしかないでしょう。
また、講習会では徹底して被害事例を見せ、恐怖心を煽ることが大事です。
教習所や、免許の更新を思い出してみてください。
必ず、死亡事故の様子や、事故後の当事者の悲惨の人生をドラマ化したビデオを見せられます。
同様にSNSでの事件、事故の事例をたくさん見てもらい、自分ごとに感じてもらうのが一番です。
・ネットストーカー事例
・リベンジポルノ事例
・企業や組織の多大な損害、信用崩壊 事例
・ワンクリック詐欺事例
・フィッシング詐欺事例
・ウィルス感染事例
残念なことに、SNSトラブルの事例はいくらでも存在します。
『もし自分がこの状況になったら…』脳内でそういった想像をすることで、初めて危機感が生まれます。
その上で社内で作成したSNSガイドラインなどを、しっかりと伝えていくと良いでしょう。
※社内アカウントの運用ガイドラインだけでなく、個人の利用にも言及しましょう。個人のプライベートの時間に投稿したものであっても、所属の企業や組織が特定され、責任を追及されるケースもあります。
ネットリテラシー教育と、SNSトラブルへの対策 まとめ
企業や組織にとって、ネットリテラシー教育と、SNSトラブルへの対策は、いまや重要な課題のひとつです。
たった一人の社員のミスによる、企業の信用崩壊、倒産の事例が次々と生まれています。
個人のWeb利用は止めることはできません。企業、組織のWeb活用も必須の時代です。
リスクと向き合わない企業、組織は、常に危険に晒されています。
先日も『うちはパソコンに詳しい奴なんかいないから平気だよ〜』と笑う社長さんと出会いました。
あなたの会社、組織は本当に大丈夫ですか?
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