Instagram、TikTok、BeRealに続き、若い世代を中心に急速に利用が広がっているSNSがあります。その名は「Setlog(セットログ)」。
韓国で人気を集め、日本でも利用者を増やしているVlogアプリで、わずか2秒程度の動画を撮影し、友達と日常を共有できるというものです。
一般的なSNSのように、何十秒もの動画を編集したり、見栄えのよい写真を準備したりする必要はありません。食事をしている様子、通学中の風景、友達との何気ない時間。そんな日常の一瞬を撮影するだけで、1日の記録が動画として残っていきます。
2026年に入って日本でも急速に普及し、App Storeのランキング上位に登場。Google Playでは100万ダウンロードを突破しています。
今回は、このSetlogがどのようなアプリなのか、使い方や人気の理由、従来のSNSとの違いを解説します。

Setlog(セットログ)とは?
Setlogは、米国ニューヨークに本社を置くNew Chat Inc.が開発・提供する、短い動画を使った日常記録・共有アプリです。
2025年12月にiOS版が登場し、2026年4月にはAndroid版も提供開始。韓国で人気が広がり、日本語への対応も進んだことで、日本国内の利用者も増加しました。
最大の特徴は、約2秒の短い動画を撮影し、友達と一緒に1日のVlogを作れることです。
Vlogとは「Video Blog」の略で、日常生活や出来事を動画で記録する形式を指します。
例えば、朝の通学風景を2秒、昼食の様子を2秒、放課後に友達と過ごす時間を2秒。こうした短い動画を少しずつ記録すると、1日の出来事を振り返る映像になります。
さらにSetlogでは、友達が撮影した動画も組み合わせられます。
同じ1日を過ごしていても、人によって見ている景色や体験は違います。それぞれの視点を集めることで、複数人の日常を一つの映像として楽しめるのです。
Setlogの主な機能
1. 約2秒の動画で日常を記録できる
Setlogの中心となるのは、スマートフォンのカメラで撮影する約2〜3秒の短い動画です。
従来のSNSでは、撮影した動画を編集し、音楽を付け、テロップを入れて公開するという作業が一般的でした。
しかし、Setlogはそうした複雑な編集を必要としません。
アプリを開いて、その瞬間を撮影するだけ。何か特別な出来事がなくても、日常の何気ない場面を記録できます。
もともとSetlogは1時間ごとに動画を記録する仕組みでしたが、2026年7月のアップデートによって、iPhone版では同じ時間帯に複数回の投稿ができるようになりました。
ただし、Android版では同じ1時間内に複数回投稿できないという利用者の報告があり、端末によって機能に違いがあります。
2. 友達と「ルーム」を作って共有する
Setlogは、不特定多数のユーザーに投稿を公開するタイプのSNSではありません。
基本となるのは、友達や家族など、限られたメンバーで作る「ルーム」です。
ルームを作成し、招待コードやリンクを使って友達を招待します。参加したメンバーは、それぞれの動画を投稿し、互いの日常を共有できます。
例えば、学生時代の友達5人でルームを作ったとしましょう。
ある人は大学の講義を受けている。別の人はアルバイト中。もう一人は旅行先で観光している。
離れた場所にいても、短い動画を通して、それぞれがどのような1日を過ごしているのかが分かります。
LINEのように会話を続ける必要もありません。動画を投稿するだけで、緩やかなつながりを維持できるわけです。
3. 撮影した動画が1本のVlogになる
Setlogでは、投稿した短い動画を組み合わせ、1日の記録をVlogとして作成できます。
動画編集ソフトを使う必要はなく、アプリが自動的にまとめてくれる仕組みです。
Logルームでは、複数のメンバーが投稿した動画を分割画面で楽しめます。
完成した動画はスマートフォンに保存することもできるため、旅行やイベントの記録として残す使い方にも適しています。
4. 新機能「Stack」で写真も共有できる
2026年8月には、「Stack(スタック)」という新しいタイプのルームが追加されました。
従来のLogが、短い動画を複数人で並べて楽しむ形式なのに対し、Stackでは写真や動画を時間順に積み重ね、1件ずつ閲覧できます。
旅行、パーティー、部活動、学校行事など、参加者がそれぞれ撮影した場面を一つの場所に集めたいときに便利です。
2026年8月時点の仕様では、従来のLogルームが最大20人、Stackは最大40人まで参加可能となっています。
単なる動画日記から、複数人で思い出を記録するコミュニケーションツールへと機能が広がっているのです。
5. 「Zip」で写真を使ったコミュニケーションもできる
Setlogには、短い動画を記録するLogや、写真・動画を蓄積するStackとは別に、「Zip(ジップ)」という機能もあります。
2026年6月に登場した機能で、写真を使って友達とやり取りできる仕組みです。
Logが1日の出来事を記録する機能なのに対し、Zipはその瞬間の出来事を写真で伝えることに重点を置いています。
友達とはPINコードの交換などを通じてつながることができ、短い動画による日常記録とは異なるコミュニケーションを楽しめます。
動画を使って1日を振り返るLog、写真や動画を集めるStack、写真で日常を伝え合うZip。それぞれ用途が異なる点も、Setlogの特徴です。
Setlogの使い方
Setlogは、基本的な操作を覚えれば簡単に始められます。
まず、App StoreまたはGoogle Playからアプリをインストールし、アカウントを作成します。
登録後、ホーム画面には「最初のLogをはじめよう」という案内が表示されます。

画面中央の「ルームを作る」をタップすると、日常を共有するためのルームを作成できます。
ルーム名や参加人数などを設定し、作成したルームへ友達を招待しましょう。
あとはホーム画面の「カメラ」から動画を撮影し、投稿先のルームを選ぶだけです。
撮影した動画はルーム内で共有され、ほかのメンバーの投稿と一緒に楽しめます。
また、友達を招待せず、自分一人で動画日記として使うこともできます。
なぜSetlogは若者に人気なのか?
Setlogの人気を考えるうえで参考になる調査があります。
株式会社パレンテが2026年8月3日に発表した調査では、同社が運営する「学割アプリ」の10〜20代の学生ユーザー479人にアンケートを実施しました。
その結果、Setlogの認知率は91.4%、利用率は73.7%に達しました。
さらに、利用開始のきっかけを回答した364人のうち、70.9%が「友達に誘われた」ことを理由に挙げています。
この調査は学割アプリ利用者を対象としたものであり、日本の若者全体の利用率を示すものではありません。
また、回答者479人のうち414人、約86.4%が女性です。こうした調査対象の特徴を踏まえて数字を読む必要があります。
ただし、友達同士の口コミによって利用が広がっている実態を読み取ることはできます。
では、なぜこれほど支持されているのでしょうか。
大きな理由の一つが、他人からの評価を気にせずに投稿できることです。
InstagramやTikTokでは、投稿したコンテンツが多くの人に見られることを意識しやすくなります。
再生数、いいね数、フォロワー数といった数字も、利用者にとって重要な指標です。
一方、Setlogは親しい人同士で日常を共有する設計になっています。
知らない人から評価されることを目的としていないため、見栄えを整える必要がありません。
さらに、友達の投稿に長いコメントを書く必要もなく、短い動画を見るだけで相手の近況を知ることができます。
SNSでありながら、SNS特有の投稿負担が小さい。この点が支持を集める理由の一つでしょう。
一方で、同調査では、Setlog利用者への今後の定着に関する質問に対し、51.0%が「一時的な流行で終わると思う」と回答しています。
利用が広がっていることと、長期的に使われるSNSとして定着することは別の問題です。今後、継続的に利用されるサービスへ成長できるかどうかも注目されます。
BeReal(ビーリアル)との違いは?
Setlogと比較されることが多いSNSが、フランス発のBeRealです。
どちらも、加工された理想的な自分ではなく、日常の自然な姿を共有することを重視しています。
ただし、仕組みには違いがあります。
| 比較項目 | Setlog | BeReal |
|---|---|---|
| 主な投稿形式 | 約2秒の動画 | 写真が中心 |
| 撮影タイミング | iPhone版では自分のペースで複数回撮影可能 | 1日1回の通知が基本 |
| 共有の仕組み | 招待制のルーム | 友達との共有 |
| 特徴 | 1日分のVlogを作成 | その瞬間のリアルを記録 |
| 主な楽しみ方 | 複数人の日常を動画で振り返る | 友達の現在の様子を見る |
BeRealは、突然届く通知に合わせて、その瞬間を記録する体験が特徴です。
対してSetlogは、日常を短い動画として撮影し、その記録を積み重ねることに重点を置いています。
つまり、BeRealが「今、この瞬間の共有」ならば、Setlogは「今日という1日の共有」に強みがあるわけです。
Setlogを利用するときの注意点
Setlogは親しい人同士で使う設計ですが、プライバシーへの配慮は必要です。
例えば、自宅の窓から見える景色、学校名や勤務先が分かるもの、他人の顔などが動画に映り込むことがあります。
わずか2秒の動画でも、個人情報が伝わる場合があります。
また、ルーム内で共有した動画がほかのメンバーによって保存され、外部のSNSなどに投稿される可能性もあります。
友達限定のルームだからといって、完全に外部へ情報が出ないわけではありません。
利用する際は、誰と共有するのか、何を撮影するのかを意識しておくことが大切です。
Setlogはビジネスにも活用できるのか?
マーケティングの観点から考えると、SetlogはInstagramやTikTokとは性質の異なるSNSです。
多くの企業がSNSを利用する目的は、新規顧客への認知拡大や集客です。
しかし、Setlogは親しい人同士の交流を前提とした設計であり、広く情報を拡散する仕組みを中心にしていません。
したがって、企業が新規顧客を獲得するための広告媒体として考えるよりも、コミュニティ内で関係を深める仕組みとして理解する方が適切です。
例えば、イベントの参加者同士で当日の様子を記録する、スタッフが日常の風景を共有する、少人数のコミュニティで思い出を残すといった使い方が考えられます。
実際、2026年9月9日にSetlogの開発元New Chat Inc.への出資を発表したDG Daiwa Venturesは、日本のアイドルグループや企業の公式アカウントでも利用が広がっていることを明らかにしています。
つまり、Setlogは友達同士のプライベートな利用に限られるものではなく、企業や著名人がファンとのコミュニケーションに活用する動きも生まれています。
ただし、InstagramやTikTokのように、大勢のユーザーへコンテンツを届けることを中心に設計されたサービスではありません。
ビジネスでの利用を考える際には、この違いを理解する必要があります。
Setlogが示すSNSの変化
私がSetlogというアプリで興味深いと感じるのは、短い動画を手軽に共有できる機能そのものよりも、そのコミュニケーションの方向性です。
これまでSNSは、いかに多くの人に見てもらうかという方向で進化してきました。
フォロワーを増やし、再生回数を伸ばし、多くの人に投稿を届ける。SNSをビジネスに活用する人にとっては、今も重要な考え方です。
しかしSetlogでは、そもそも多くの人に見せる必要がありません。
親しい数人が見てくれればよい。何か特別なことを投稿する必要もない。ありふれた日常の一部分が、仲間にとって意味のあるコンテンツになるのです。
もちろん、これをもって公開型SNSの時代が終わるということではありません。
むしろ、広く情報を届けるためのSNSと、限られた相手との関係を維持するためのSNSが、それぞれ異なる役割を持ち始めていると捉えるべきでしょう。
Setlogが今後も長期的に利用されるサービスへ成長するかどうかは、まだ分かりません。
ただ、SNSの価値が必ずしもフォロワー数や再生回数だけで決まるわけではないことを、改めて考えさせられるアプリです。
Setlogのダウンロード方法
Setlogは、iPhoneとAndroidの両方で利用できます。基本利用は無料です。
iPhone版(App Store)
https://apps.apple.com/jp/app/setlog/id6587576438
Android版(Google Play)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.newchat.setlog&hl=ja
2026年10月時点で、iPhone版はiOS 17.6以降に対応しています。利用年齢の指定は13歳以上です。
普段の何気ない日常を動画として残したい人、友達や家族との新しいコミュニケーションを楽しみたい人は、一度試してみるとよいでしょう。
記事内の機能・仕様は2026年10月19日時点で確認できる公開情報に基づきます。























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